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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
434部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその四

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第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその四

「貴方は何というのかしら」
「榊銃士浪」
「榊ね」
「そう呼んでくれ」
 こう返すのだった。
「俺はそれでもいい」
「何かわからないけれど過去があるわね」
 孫策は直感からこのことを察した。
「心に傷を負った」
「言うつもりはない」
 榊はぶっきらぼうに返した。
「生憎だがな」
「別にいいわ。過去は過去よ」
 あっさりとした性格の孫策らしい言葉だった。
「とにかく。貴方もね」
「雇ってくれるか」
「そうよ。これから宜しくね」
 彼もであった。そしてだ。
 残る三人は中華風の赤い上着に白いズボンという格好で黒髪を左右でリングにした少女に上半身裸の白髪の男、それと見事な金髪に青紫の服の勝気な顔の女だった。
 その三人はだ。それぞれ名乗ってきた。
「李香緋よ」
「リック=ストラウド」
「B=ジェニーよ」
「貴方達は拳で戦うみたいね」
 孫策は三人を見てすぐに言った。
「そうね」
「ええ、そうよ」
「この拳で戦っている」
「あたしは海賊だけれどね」
「あら、海賊なの」
 孫策はとりわけジェニーの言葉に注目した。
「そうなの」
「そうよ。ここは河が多いけれど」
「もう河ばかりよ。だったらね」
「私も活躍できるわね」
「できるんじゃなくてしてもらうわ」
 これが孫策の返答だった。
「それでいいわね」
「ええ、それじゃあね」
「貴方達もよ」
 この三人もだというのだ。
「働いてもらうわ」
「よし、じゃあ早速だけれど」
 香緋は大喜びで言うのだった。
「御馳走食べよう、御馳走」
「いいわね。さっき馬で当てたしね」
 ジェニーが彼女に同意して続く。
「それならね」
「それで何食べる?」
「豚なんてどう?」
 ジェニーのお勧めはそれだった。
「それかステーキでも」
「ジェニーってそれ好きよね」
「イギリスで数少ないまともな料理よ」
 随分な言葉である。
「だからなのよ」
「まともな、ね」
「イギリスに美味しい食べ物なしよ」
 これまた随分な言葉だ。
「そういうことよ」
「そうなんだ」
「そうなのよ。ステーキはいけるけれど」
 それはだというのだ。
「けれどそれ以外は」
「凄い絶望的な話ね」
「そう、イギリス料理は絶望の味よ」
 まさにそうだと。断言であった。
「食べられたものじゃないから」
「イギリス人というのは不幸ね」
 それを聞いた孫権の言葉だ。
「そういえば我が陣営にイギリス人は」
「オーストラリア人はいるけれどね」
 孫尚香も言う。

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