大切な娘との日々
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そ……んな……まだ、アスナとも会ってないのに、まだ始まったばかりなのに……」
「パパ、笑って…?」
「無理だよ……僕はもうユイがいなかったら笑えないんだ……!」
「ママが……いるよ……」
ライアは強く抱き締めていたユイの身体が透けていることに気づいた。
「嫌だ……ユイ……いなくならないでくれ……!」
「パパ……皆を笑顔にさせて……私は会えなかったけど……ママを……笑顔に……」
そして、ユイはライナの目の前から……
「あぁぁぁぁ!」
ライアはユイがいた場所に手で殴り、コンソールに向かって立ち上がった。
「ふざ…けるな……カーディナル……いや茅場晶彦……これ以上……お前らの好きにさせないぞ……!」
──まだ、まだ間に合うはずだ……ユイを……アスナに会わせるんだ……もう誰も失いたくない……!
ライアはコンソールのホロウキーボードを叩く。
そして作業が終わった瞬間、衝撃波がライアにあたる。
「っ!?」
軽く飛ばされたライアはすぐに手のひらを確認した。
そこには雫の形をしたオブジェクト。
「……間に……合った……」
ライアはその後、転移し宿に向かっていた。
その時─────
『パパ、笑って……』
愛しい娘の声が聞こえた気がした。
────────────────────
ライアはアスナに全てを話し終えた。
「という事だよ。」
アスナは涙目で、ライアを抱きしめた。
「ア、アスナ!?」
「ありがとう……あおくん……!」
ライアは落ち着いて抱きしめながらアスナの頭を撫でた。
「あぁ、まだ時間はかかると思うけど必ずユイに会わせるよ。」
「うん……必ず会おうね、ユイちゃん。」
アスナは雫のオブジェクトに触れながら言った。
ライアはウィンドウを操作して、アスナに言った。
「明日奈。」
「なぁに?」
「ユイを明日奈が持っていてくれないか?」
アスナはライアの言葉に驚いた。
大事な娘を自分に預けると言っているのだ、驚くのも無理はない。
「え……どうして?」
「きっと、ママと一緒にいたいと思うんだ。」
そう言ってライアはネックレスにして、アスナに渡した。
「………ありがとう、あおくん。」
それから、アスナの首元にはユイの分身が付いたネックレスが付くようになった。
デスゲーム終了まで残り……1週間。
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