432部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその二
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第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその二
「揚州に来ても入れないわよ」
「雪蓮様の為にはいいかと」
「そうした鬼達がいても」
「冗談じゃないわよ」
孫策の言葉は半分本気だった。
「何でそんなおっかない連中入れるのよ」
「ですから雪蓮様のお目付けにです」
「それと小蓮様もです」
「蓮華はいいのね」
「蓮華様は真面目で素直な方ですから」
「別に」
だから彼女はいいというのである。
「しかし雪蓮様は違いますので」
「ですから」
「全く。信頼がないのね」
「雪蓮様に対する信頼が揺らいだことはありません」
「それは御安心下さい」
二人の長老はこう返すのだった。
「我々のこの絶対の忠誠」
「疑われている訳ではありますまい」
「ええ、それを疑ったことはないわよ」
これは孫策もわかっていることだった。
「お母様の頃からの家臣だしね」
「大殿は立派な方でした」
「そして雪蓮様はです」
ここからが二人の忠義だった。その絶対のだ。
「その大殿を超える方になってもらいますので」
「是非共」
「で、そんなおっかないのがこっちに来ればなのね」
孫策は多少うんざりとした顔になっていた。
「そういうことなのね」
「左様です」
「だからこそ」
こう話してであった。二人は孫策に政務をさせるのだった。孫策は仕事自体は速かった。そしてそれが終わってからであった。
「さて、終わりよ」
「では次は」
「人材とですね」
「ええ、会うわよ」
機嫌が急によくなった。それでだった。
謁見の間に向かう。その時だった。
「ねえ姉様」
「あら、小蓮じゃない」
「これから何処に行くの?」
こう長姉に問うてきたのである。
「若しかして人と会うの」
「あら、聞いてるのね」
「うん。何かまた別の世界の人が来たってね」
「そうよ。それでこれから用いるかどうかを決める為にね」
「会うのね」
「そうよ。小蓮もどうかしら」
「勿論行くわよ」
にこりと笑って応える孫尚香だった。
そうしてだ。二人で行く時にだった。孫策はここで御供をしている長老達に問うのだった。
「それで蓮華は?」
「蓮華様も謁見の間に御呼びしています」
「今向かってもらっています」
「そうなの。じゃあ三姉妹揃ってというのね」
「左様です。蓮華様も孫家の方としてです」
「学ばれることは多いので」
それでだというのだ。
「無論小蓮様もです」
「遊ばれてばかりでは駄目ですから」
「何でよ、遊んだら駄目なの?」
「駄目ではありません」
「しかしです」
それでもだというのである。
「ですからここはです」
「宜しいですね」
「断ったら駄目?」
「駄目です」
「当然です」
二人の厳しさは小蓮に対
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