〜チマメ隊〜 ことの始まりは
第1羽 そんな着ぐるみどこに売ってたんですか?
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3人を包み込んでいた光が消えていく。3人は店の中を見渡すが、特に変わったところといえば…
「ちょっと暗くなった?」
本当にそのくらいで、なにも起こった感じはない。あるいは店内が暗くなったように見えたのも、眩しい光を浴びたせいかもしれない。
「もう、あんまり不用意に触らないでくださいよ?」
「えへへ、ごめんごめん」
どうやら他に影響はないようだ。ホッとする一同。
刹那、店の奥の方から物音がする。
暗くてよくは見えないが、誰かが近づいてくるようだ。
影の大きさからして、チノのお父さんだろうか。
しかし、出てきたのは青くて牙のある四角い生き物のようなものだった。
「ココアさん、帰ってたんなら言ってくださいよ。そんな着ぐるみどこに売ってたんですか?」
バレてますよ、と話しかけるチノ。話しかけられた青い生き物は…答える代わりに物凄い速度で突進してきたのだった。
「チノ危ない!」
「うわ!」
咄嗟にチノを押しとばすマヤ。直後、チノがいた場所を青い生き物が通り過ぎ、そのままの勢いで店の机や椅子を壊していく。
少なくともココアでないことだけは明白だった。
「お店が…」
「そんなことより逃げなきゃ!」
「どうしよう、開かないよ!」
メグが店の入り口のドアに手を掛けるが、ビクともしない。鍵が閉まっているのだろうか。いや、それは有り得ない。お客さんがいなかったとはいえ、店は営業中であったし、なによりマヤとメグはここから入ってきたのだ。開いてないなんてはずがない。そこに何らかの異常があるのは確かだった。
「2人とも避けて!」
3人めがけて猛突進してくるお化けは勢い余って入り口のドアに衝突するが、ドアはびくともしない。ドアを破って外へ出るのが不可能なことは一目瞭然であった。
「こっちに逃げよう!」
ここは危険だと判断したマヤが、混乱している2人を連れていく。高速で迫るお化けを躱しながら階段を駆け上がり、3人はチノの部屋へ入る。
否、そこにあったのはチノの部屋ではない。
「これは…」
いくつにも分かれた道。道と道を隔てる高い壁。
チノの部屋であったはずの場所はー広い迷路と化していた。
「私の部屋が…」
「一体どうなってるの!?」
その光景に呆然と立ち尽くす3人。すると、後ろの扉から軋むような音が聞こえてくる。
「とりあえず進まなきゃ!さっきのお化けが来ちゃうよ!」
メグがふと下を見ると、足元に何かが落ちていた。拾って見ると、どうやら木彫りの街で流行っている遊び、シストの地図のようだ。
「メグはやくー」
チノとマヤが道の先で呼んでいる。
「待ってよー」
メグはシストの地図をポケットに入れ、2人を追い
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