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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
430部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその十二
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第三十四話 田豊、策を用いるのことその十二

「わかるな」
「この野郎、何かよくわからねえが」
「むかつく」
 チビとデブも言う。
「まずは手前からだ!」
「痛い目に遭わせる」
「ふん」
 三人が前に出たところでだ。青年の持っている剣が一閃された。そうしてであった。
 三人は瞬く間に叩きのめされてしまった。そうしてだ。
「お、覚えてやがれ!」
「この借りは絶対に返すからな!」
 こう言って逃げ去る。そうしてであった。
 馬岱はその逃げ去る三人を見送って言うのであった。
「逃げる動きも相変わらず同じなんだ」
「そうね。本当に同じ人達じゃないかしら」
 黄忠も半分本気でこう考えだしていた。
「出る場所がいつも違ってるけれど」
「そうかも知れないのだ」
 張飛もこう考えだしていた。
「とにかくなのだ。子供は助かったのだ」
「そうだな。しかしあの男」
 関羽はその青年を見ていた。
「かなりの腕だな」
「見たところまた、だな」
 趙雲はここでその青年を見て言った。
「他の世界からの者か」
「そうだろうな。じゃあ」
 馬超は一歩前に出た。そうしてだった。
「声かけるか」
「そうよね。それだったら」
 劉備が馬超の言葉に応えてだった。
「私が」
「うむ、では御願いする」
 関羽はその劉備に対して頷いてみせた。
「こういうことは劉備殿が一番合うようだしな」
「ええ。それじゃあ」
 こうしてだった。劉備はその青年に声をかけた。
「あの、そこの方」
「私か」
「はい、どうしてここにおられるのですか?」
「気が付いたらいた」
 そうだというのである。
「この国にだ」
「そうなんですか」
「清の古の時代のようだが」
 青年はいぶかしむ目で劉備に返した。
「しかし。私が書で読んだこととは違う部分が多いな」
「何かよく言われます」
「よく、か」
「他の世界から来られた方ですよね」
 こう青年に問い返した。
「そうですよね」
「私の国は日本という」
 青年の返答は劉備達がこれまで数多く聞いてきたものだった。
「そして我が名は」
「はい、御名前は」
「御名方守矢という」
 そうだというのだった。
「それが私の名前だ」
「御名方守矢さんですか」
「詳しい話を聞きたいか」
 劉備の目を見ながらの言葉だった。
「見たところ悪い者ではないようだが」
「我々はだ」
 関羽は強い顔で守矢に応えてきた。
「この漢に再び平和をもたらすのげ願いだ」
「それがだというのだな」
「そうだ。それで貴殿の願いは何だ」
「私の願いはか」
「そうだ、見たところ貴殿もひとかたの人物」
 関羽もまた守矢の目を見ていた。そのうえでいうのだった。
「何かを目指しているな」
「私だ
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