0086話『台風前の収穫』
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『瑞穂、いいかい? 水上機母艦にもいいところはたくさんある。だから自身の力を卑下しないで誇りに思ってこれからも頑張ってくれ』……と」
「提督……とても良い事を言いましたね。神威も瑞穂さんの気持ちになって嬉しく思います」
「あはは……。そう言えばそんな事を言ったな」
「まぁ、そのあとの言葉で少し台無しにもなっていたんですけどね……」
「ほう……? どんなことを言ったんだ? 少し興味あるな」
「俺も俺も!」
それで全員が私を見てくる。
存外に言えと言う眼差しであった。
「はぁー……仕方がないな。ただ水上機母艦としては少し不安が残る秋津洲がいるから同じ水上機母艦として彼女の事も気遣ってほしいというお願いを瑞穂にしたんだ」
「「「確かに……」」」
全員が秋津洲の運用を考えると困りもんだなと思っているのだろう、何度も頷いている。
「まぁ、その分は可愛さと料理の手際の良さにステータスを全振りしているからな。秋津洲は……」
「そうかもなー。秋津洲って家事能力は鹿島と同様にかなり高いからな」
それで天龍は思い出しているのだろう。
お料理教室のメンバーに鹿島と秋津洲が入っているのを。
「それでも最近は色々と装備できるものも増えてきて役立っているんだけどな。
……っと、そうだな。こんな無駄じゃないけど話をしていると収穫が遅れてしまうな。急ごうか」
「「「了解」」」
それで収穫作業を再開する。
そこに清霜がシートを持ってきた。
「司令官! シートを持ってきたわよ!」
「ありがとう清霜。清霜はこの中では一番体力がないんだから少し休んでていてもいいぞ? 水分補給をしてきなさい」
「うん、わかったわ!」
それで清霜は木陰に入っていってドリンクを飲んでいる。
うん、素直でよろしい。
その後、私たちも休憩を交代しながらやっていってもう出来上がっているものは大体収穫できたので荷台に全部載せたあとに間宮さんのところへと向かった。
甘味処間宮へと到着してドアを開けて、
「間宮さーん! 少しいいかな!」
「はーい! 少しお待ちください! 伊良湖ちゃん、配膳はお願いね」
「わかりました、間宮さん」
間宮さんが伊良湖ちゃんとそんなやり取りをしながらもパタパタと小走りで玄関までやってきた。
「提督。それにみなさんもどうしました? 私になにかご用でしょうか?」
「うん。ちょっと外に出てもらっていいかな? 新鮮な野菜が収穫出来たんで持ってきたんです」
「まぁ! とても素敵ですね。ぜひ頂いてもよろしいでしょうか!」
「ああ。そのために持ってきたからな」
「それでですが他にはどこに持っていくのですか……?」
「うん。鳳翔さんの居酒屋のところと萩風とか秋津洲がいるお料理教室に持っていこうと思っ
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