425部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその七
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第三十四話 田豊、策を用いるのことその七
「あんた達も知ってる顔が多いと思うぜ」
「さっきあそこでグリフォンマスク見たけれどな」
「子供達と一緒に遊んでたな」
「はい、とてもいい人ですよ」
顔良がにこりと笑って二人に応えた。
「子供好きでとても正義感が強くて」
「あいつはな。子供の為に戦うヒーローだからな」
「その為に生きている奴だからな」
二人はグリフォンマスクについてこう話す。
「そうか、じゃあ後で一緒に飲むか」
「再会を祝してだな」
「ええ、そうされるといいですわ」
袁紹もそれを許す。
「では貴方達はこれで」
「ああ、宜しくな」
「戦の時はな」
こうして彼等も袁紹の陣営に加わった。二つの世界が確かに融合してきていた。
その中でだ。袁紹はだ。政務の時に田豊達に問うた。
「それで北匈奴の反乱と侵攻の理由はわかりまして?」
「いえ、それがです」
「どうも」
こう答える田豊と沮授だった。
「捕虜に聞いてもです。要領を得ない返答でして」
「食糧もありますし交易で潤っていたそうですし」
「では何故ですの?」
袁紹は二人の話を聞いてまたいぶかしむ顔になった。
「匈奴が来る理由は略奪以外にはありませんのに」
「何者かが主導した侵攻の様ですが」
「一人の老人がいたともいいますし」
「老人」
老人と聞いてだ。袁紹はその筆を止めた。
そのうえでだ。あらためて二人に尋ねた。
「誰ですの、その老人は」
「何でも小柄で不気味な老人らしいです」
「その老人が出て来て急に攻めるという話になったそうです」
「おかしな話ですわね」
袁紹でなくともこう思うことだった。
「それはまた」
「はい、その老人の正体もです」
「全くわかりません」
二人は袁紹にこのことも話した。
「一体何者なのかです」
「それに今入った話ですが」
沮授が話してきた。
「今度は茶色の髪の少年が各地で見られています」
「茶色の?」
「小柄でいつも笑みを絶やさない少年だそうです」
「あちらの世界の者でして?」
「そう思われます。ただ」
「ただ?」
「何かを探しているようだとのことです」
沮授はこう袁紹に話す。
「何かを」
「宝探しではありませんわね」
「はい、それとはまた別のようです」
「それを聞いて安心しましたわ」
宝探しが趣味の袁紹にとってはまずは朗報だった。彼女は隠された財宝が自分より先に誰かに見つけられることを好まないのである。
しかしだ。その安心をすぐに消してだ。沮授に問い返す。
「では」
「はい」24
「何を探していますの?」
「どうやら人か場所を」
「どちらかの様です」
「人?場所?」
さらにいぶかしむ顔になる袁紹だった。
「人にしても場所にし
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