第52話<電気羊の夢>
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ういう話題には食いつきが良いな。
えっと、確かその後は……
一緒に思い出す青葉さん。
「果てに民間施設を軒並み破壊して、とどめは軍用車を一台スクラップかね? これは一体、どういうことなのか? ……あはは」
よく覚えているな。
……そう先週は呉の地方監察官がやってきて、さんざん油を絞られたばかりだった。
「二度と御免だね」
「はぁ」
青葉さんも自分たちにも非があると思っているのだろう。少し頭をかきながら恐縮している。
ただそのとき私は監察官から艦娘の量産化が実用化する話を聞いた。
噂には聞いていたが、ついにその日が来るのか……と思った。
「良かったな、これで君も轟沈を気にせずガンガン投入できる」
私の過去の経歴を知っている監察官は怖いことを言う。
すると青葉さんが突っ込む。
「司令の舞鶴の件ですか?」
「ああ。お前は良く知っているよな」
「はい」
だが艦娘を酷使しない提督も居る。
「え? そうなんですか」
「何だ、お前の情報網でもそういう指揮官の話は耳に入らないのか? 例えば私の同期である神戸の提督は、良い奴だぞ」
「ああ、そう言えば神戸から来た金剛さんが、かなり褒めてました」
「だろう?」
もともと規格品みたいな艦娘たち。
「量産品はコピーかクローンか? なんて呼ぶのだろうか」
「……」
私はふと「レプリカント」を連想した。
見ると青葉さんがちょっと引きつっていた。
「……あ、ごめん」
艦娘たちが単なる機械でないのは人間に極めて近い感情を持つこと。誰の発明か過去の遺構なのか、あるいは怨念か因縁か?
過去の戦争体験が噴出していると言う説もあるが私には、良く分からん。
その艦娘たちは、ひょっとすると自分の忌まわしい過去を打ち消す為に何かの思い出が欲しいのかも知れない。
北上も夜の海で叫んでたよな。過去は断ち切れと。
でもそれが本当に私の「墓参」に参加したがる理由なのかな?
「……だめだ!」
「ひゃっ!」
驚く青葉さん。
「複雑なこと考えると老けそうだ。やめた、やめた!」
「はい、それが良いですよ」
私の言葉に彼女も笑っていた。
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