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SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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とはね……。
 流石に兄が『ビーダー』である事は知っているか。いや、それもそうか……。
 訳ありだけど『ビーター』と定着した切っ掛けは兄が自ら悪役を演じたことだもんね。素人もいるであろうベータ―テスター出身者を一括りにさせないために、敵意と悪意を自分自身に向けさせたんだ。

「アスナ様! こいつらは自分さえ良ければいい自己中な連中です! こんな奴と関わるとろくなことがありません! 今すぐ考えを改めてください!」

 兄が肯定も否定の反応を見ることなく、クラディールは勢いに任せて兄を否定した。『ビーター』である兄は悪である。そんな悪と一緒にいる必要はないと、アスナに訴えているのだろう。
 しかしクラディールの思惑は見当違いになるでしょうね。現にアスナが不愉快な気持ちを向けているのは兄ではなく、クラディールなんだから。
 それに、ほとぼりが冷めるまでは黙っていようとしたけど……ちょっと調子に乗られるとね、黙っていられるわけにはいかないんですよ、実の妹としてね。

「ちょっとあんた」

 私がクラディールに食ってかかろうとした時だった

「騒がしいのだけど?」

 透き通った声色が耳に入る。
 不思議なことに怒りを向けていたクディールを一瞬で、私はその穢れのない声音に注目する様に振り返った。

「醜い争いなら、私のいないところでやってほしいわね」

 そこにはアスナに負けない美少女。濡れ羽色の長い髪に、吸い込まれそうな蒼い瞳。全面的に黒と所々に蒼色に彩られた大正ちっくな服装ながらも和を感じさせる姿はまさに大和撫子。
 彼女が現れただけで濁れてきた空気を浄化した。
 彼女の名は……。

「苦労しているわね、アスナ。変な奴らに護衛させられるんだったら、さっさとギルドやめて、ソロになったら楽になれるわよ」
「ド、ドウセツ!? どうしてここに!?」
「どうしてって……ここに用事があるかに決まっているでしょ」

 彼女の名はドウセツ。私達と同じ攻略組の一人であり、私と兄と同様に数少ないソロプレイヤーの一人だ。
 アスナはドウセツが来た事を全く想像していなかったのかビックリしていた。少々驚き過ぎではないかと、こっちが呆れるくらい。

「ドウセツ! 何故貴様がここにいるだ!」

 けど、同時にドウセツが現れた事に驚き、そして怒りを表す者がいた。
 そう、アスナの護衛の一人であるストロングスというプレイヤーだった。先ほど武士精神満ち溢れたものが台無しになるくらい、表情は歪み、憎しみを隠すことなくドウセツに殺意を向けていた。
 
「エギルさん。取引お願いします」
「お、おう……」

 今から殺されてもおかしない殺意を向けているのにも関わらず、ドウセツはドスルーしていた。
 ……相変わらずのマイペースさ
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