SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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。するとアスナは、後ろにいたギルドメンバーの二人に声をかけた。
「今日はここから直接『セリムブルグ』まで転移するので護衛はもういいです。お疲れ様」
護衛?
最強ギルドの副団長に護衛?
単純な疑問を思っていると、先ほどまで兄に対して殺意を向けていた長髪でねちっこそうな男が現状を納得できないでいるのか、荒々しい言葉を発する。
「ア……アスナ様! こんなスラムに足をお運びになるだけに留まらず、素性の知れぬ奴らを自宅に伴うなどと、とんでもない事です!」
なるほど、なんとなく兄に殺意を向けていた理由がわかったよ。
単純にして明快。彼はアスナの事が大好きで、女神様みたいな存在として見ているんだろう。そんな女神がどこぞの馬の骨ともわからない兄がアスナと接している事が許せないんだろうね。
うん、非常に困った人だ。
当然アスナもそれは嫌というほど感じているのか、明確にうんざりとした表情をしている。
「クラディール。素性はともかく腕だけは確かよ……多分貴女よりより十はレベルが上よ」
「ば、馬鹿な!? 私がこんな奴に劣るなど……っ!」
そう言われても、アスナは嘘ついていないよ。クラディールのレベルは知らないけど、多分当たっている。というか、兄は攻略組では割と有名人のはずなんだけど、知らないのかな?
「しかしアスナ様!」
クラディールという男は兄よりも下だということを認めたくないのか、憎々しげに叫ぼうとするともう一人の細身ながらも筋肉質の高く、武士道を感じさせる青年が止めに入った。
「やめろ、クラディール。アスナ様が信頼しているお方だ、我々が思っている非道な事はしないだろう」
「放せ、ストロングス! お前はあんな素性も知らない奴がアスナ様と接するどころか、自宅へ行くことを許すというのか!」
「護衛だけの役目である俺達があれこれ言ってもしょうがないだろ! それに向こうから無理矢理しているわけでもないし、何よりもアスナ様が誘った男と女だ。お前はアスナ様の信用を裏切るというのか?」
「ぐっ……」
ストロングスという男は話はわかってくれそうだけど、それでもアスナを様づけか。ということは内心は兄や私など認めるつもりはないのかもしれない。
仲間にも止められるクラディールは諦めが悪いのか、どうにかしてアスナから兄を離そうと、兄に憎悪を向ける。
そして彼は一瞬、閃いた様に顔が晴れるもそれはすぐに歪んだ顔へと変化した。
「思い出したぞ……お前、確か『ビーター』だろ?」
クラディールは兄に向けて知られたくない秘密を暴露する様に喜々としている。
『ビーダー』この世界の造語であり、ベータ―テスターと不正行為者のチーターを合わせた蔑称。最近はあんまり聞くことはなかったけど、それを持ち出す
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