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SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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い……」」

 微笑む姿の裏にある威圧を感じ取ってしまった私達は有無も言わずしてアスナの提案を受け入れるしかなかった。
 私も兄も、将来はアスナに逆らえないのかもしれない。特に兄は尻に敷かれそうだけど、頑張ってね。
 結局こうなるのだったら変に気を遣って、私欲のために兄に不遇な目に遭わせようとしなければ良かったわね。
 この際、S級お肉をプロ料理人が料理してくれるのだったら、何だっていいや。
 
「悪いな、そんな訳で取引は中止だ」

 ……もう終わったからいいけどさ、兄もエギルに取引しているじゃんか。
 私も取引しようと思ったけど、必要なくなったから悪いけど断らせてもらおう。

「あ、エギル。聞いていたと思うけど私も中止にするね」
「いや、それはいいけどよ……オレ達ダチだよな? な?」
「嫌」
「お、おい、キリカ! まだ言い終わってないぞ!」
「だ〜め」
「せめて最後まで聞いてから断れよ! なぁ、キリト、何か言ってくれよ。オレにも味見くらい……」
「感想文を八百字以内で書いてきてやるよ」
「そりゃあないだろ!」
「駄目だよ、兄。それじゃあエギルが可哀想だって」
「フォローしようとしているけど、真っ先に断っただろ!」
「感想文は百四十以内にした方が丁度良いよ」
「文字数に悲観しているわけじゃないんだよ!」

 悪いね、エギル。ラグー・ラビットの肉は三人用なんだ。貴重な食材に味見を許すわけにはいかないの。
 世界の終焉を思わせるかのように沈んだ表情をするエギルを放置して、私達はさっそくラグー・ラビットの肉の事で話し始めた。

「じゃあ、あとは場所だね。兄は論外として……」
「お前も似たようなものだろ」

 否定してやりたいけど、否定できないね……。
 料理スキルは料理道具と釜戸、オーブンの(たぐい)が最低限必要になる。兄の部屋を行った事ある妹の私から言わせれば、それはもう人を誘える様な部屋ではなかった。
 もし兄に彼女がいて、あの部屋を招いたら百年の恋も一時に冷めて別れ話になるだろう。
 そういう意味では私はまだマシだと思っている。面白味のない部屋だけど、軽蔑されるよりかはマシな気がする。
 私達がどこで調理するか悩んでいるのを見越したアスナは呆れながらも嬉しい言葉を投げかけてくれた。 

「じゃあ今回だけ、食材に免じてわたしの部屋を提供してあげる」
「是非ともお願い致します!」
「お前は少し遠慮しろよ」

 だって、それしか選択がないんだもん。どこか変な家を借りて料理するんだったらアスナの家で食べるほうが百倍良いに決まっている。こんなことで遠慮なんてしたら、もう二度とアスナの家に行く事はできないのかもしれない。
 そういうことで、今晩はアスナの家でお食事会を開くことに決定
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