423部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその五
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第三十四話 田豊、策を用いるのことその五
「寂しくなくていいダスよ」
「その通りだ。ところで」
「ところで?」
「テムジンはモンゴルの生まれだったな」
彼の出身地について尋ねるのだった。
「そうだったな」
「その通りダス」
テムジンもそのことを認める。
「それがどうかしたダスか?」
「いや、少しな」
イワンはこう前置きしたうえでだった。彼に言った。
「馬に乗るにはだ」
「馬ダスか」
「その体形は合わないのではと思って」
「いやいや、ワス馬にも乗れるダスよ」
「そうなのか」
「モンゴル人の足は四足ダス」
そしてこのことを言うのであった。
「馬にも普通に乗れるダスよ」
「生まれた頃から乗っているのか」
「当然ダス」
そうだというのである。
「モンゴル人ダスから」
「そうだったか。失礼した」
「気にしなくていいダス。もっとも」
今度はテムジンから話す。
「あれダス」
「あれとは?」
「馬よりも相撲の方が得意ダス」
こう話すのだった。
「そちらの方がダス」
「そうなのか」
「モンゴルでは相撲が特に盛んダス」
「モンゴル相撲だな」
「モンゴル人は馬と相撲で身体を鍛えているダス」
これは昔からだ。チンギス=ハーンの時代からなのだ。
「それでワスは」
「相撲の方がか」
「どちらかというかダスが」
「成程な。やはりモンゴル人か」
「その通りダス。それでこれからダスが」
「何をするのだ?」
「少し相撲をしてくるダス」
こうイワンに話した。
「大会に出るダスよ」
「わかった。それではな」
「ではダス」
こうして彼は相撲に向かった。彼等はこの日は穏やかに過ごしていた。
そして袁紹はだ。その彼等と会っていた。
「この者達がです」
「今回のです」
「わかりましたわ」
まずは己の席から左右に控える顔良と文醜に応えた。
「それではですわ」
「はい」
「それで」
「貴方達は」
あらためて彼等に声をかけた。
「何というのかしら」
「はい」
まずはだ。ダークパープルの軍服の美女が応えてきた。その手には鞭がある。
「ウィップです」
「ウィップ?」
「はい、それが私の名前です」
こう袁紹に話すのだった。
「宜しく御願いします」
「ええ。その鞭が武器なのでしてね」
「はい」8
その通りだというのである。
「そうです」
「成程、見たところ」
「そうですね」
「ああ、あたいもそう思うぜ」
ここで顔良と文醜も話した。
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