隠される本心
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く誰よりも知っているだろう。
──本当ならすぐ傍で守りたい……
ライアの本心は、アスナの傍にずっといる事だった。
だが、彼は誰にもその本心を話さない。
「彼女が剣を握らなくて済む日まで、俺は戦い続けるって決めたから……」
「……ライア。」
リズはいつの間にか作業を終わらせて、1本の剣を両手で持ちライアの目の前に立った。
「名前は"ラスペツィア・ミーア"、細剣の中でも私が作った"ランペルトライト"と同じぐらいよ。」
「イタリア語で僕の希望……か。」
ライアは苦笑いをしながら剣を受け取った。
「ピッタリじゃない、アスナ喜ぶわよ。」
「…………なぁ、リズ。」
ライアは真面目な顔でリズに話しかけた。
リズはいきなりライアが真剣な顔をして話しかけたため、身構えた。
「俺は……彼女を……アスナをあの世界に戻せるのかな……」
それは弱々しい声だった。
「………大丈夫よ。」
リズはぎゅっとスカートの裾を握って答えた。
「アンタは攻略組の青の剣士で、一刀流使いのライアで何より……」
リズは笑顔で声を発した。
「『私達を守ってくれるヒーローでしょ?』」
「っ!?」
リズはこの時気づかなかった。
昔、ライアが向こうの世界で幼馴染みに言われた言葉と全く同じことを言った事を。
ライアは、リズとアスナを重ねてしまった。
「ライア?」
リズは固まってしまった目の前の少年に話しかける。
「な、何でもない、俺は行くよ。ありがとう。」
ライアはハッとしつつ、感づかれないように鍛冶屋を出た。
「………少しは頼んなさいよ。」
リズが悔しそうに言った言葉は、ライアに届くことは無かった。
鍛冶屋から出て、ライアは街中をぶらぶら歩いていた。
「ライ……くん……?」
その時、名前を呼ばれたライアは後ろに振り返った。
「アス……ナ……。」
約半年ぶりの再開だった。
デスゲーム終了まで、残り9日──
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