暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
英雄の集結
[8/22]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話







「ラァッ!!」


翼刀の斬撃。
その一撃は一撃では終わらない。
いったん振り降ろされた剣を受け止めても、その後から無数の刃がのしかかってくるのだ。


だが、赤銅は後続の刃を一纏めにして握り潰すと、それをぶちまけて目晦ましにする。
それに翼刀と「奴」は離れるが、左後ろから蒔風が首を狙って剣を振るってきた。


それを受け止める赤銅。
そのぶつかり合う衝撃で、鉄片が吹き飛び翼刀と「奴」が向かってきた。


翼刀の剣を腕で受け止め、「奴」の剣を脛で受け止める。



「こいつ・・・身体の硬度も半端ねぇぞ!!」

「関係ない!!!」


それを見て驚く「奴」だが、翼刀はヴァルクヴェインの上部に手を当てて叫んだ。
刃そのものを押し付けるように剣を両手で触れる翼刀は、一瞬息を吸ってから

「破ッッ!!」

一気に吐き出した。
それによって放たれたのは、不動の斬撃。
受け止めていた赤銅の腕がブシュッ、と血を噴き出し、一瞬だけ力が抜ける。

それに合わせて「奴」が顎に蹴り上げをかまし、蒔風が後頭部からの蹴りをお見舞いした。


前後からの挟撃。
それにさすがの赤銅も脳が揺れ、翼刀の踵落しで大地に叩きつけられていった。


だが


「うお!?」

「なぁ!?」


その落下の際、翼刀と蒔風の腕と足を掴み、道連れにしていった。

共に地面に落下した三人。
着地と同時に取った受け身の挙動、その風圧で、土煙が一瞬で晴れて向き合う。


刹那、視線が交わり蒔風が「天」「地」を左右に構えて突っ込んでいった。
左からのΧブレードを受け止め、右拳で殴りつけていくが赤銅はそれを後退で回避。

蒔風は拳をそのまま突き出し、振り切り、さらに背中を上に向けるように拳を下に落とす。
その背中を転がるように「奴」が現れ、赤銅に向かって剣を振り下ろした。


それらの攻撃を受ける赤銅だが、彼女の防御はまだ終わらない。
剣を振り下ろした「奴」は蒔風の手を取って引き上げその体をブレイクダンスでもさせるかのように肩と背中の間で回転させた。

その連続蹴りを放ちきって着地した蒔風がしゃがみこみ、「奴」がその後ろに立つ。



このコンビネーション、赤銅がいいようにされているのには理由がある。
これには、一切の隙ができないのだ。

そもそも、複数人で戦うときはお互いの隙を埋めあって行くから強くなるものなので、単純に二人だから強さが二倍になるというものではない。
どんなに積み重ねても、「他人同士」ということが壁になり、少しの隙間は生まれるものだ。


だが、この二人に限っては違う。


もしも理想のコンビネーションを思い浮かべた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ