第四章 RE:BIRTH
Dead Story
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にそれを回避しながらも、同じくらい確実に追い詰められていっていた。
佳景山が撃とうとも火花を散らすだけで止まらない。
初原が何を投げつけて、足止めを行っても効きもしない。
「おいおいこれマジでまずいだろ!?」
「ハハッ!!俺やお前なら死なないでオルフェノクになれると思うぞ?」
「その冗談わらえねぇよ!?」
「そりゃ確かにッ!!!」
ダンッッ!!と走って逃げるしかない彼らが、ついに追い詰められてしまう。
羽撃たきの風で巻き上げられたラックやワゴン、崩れた瓦礫などが積み重なって彼らの行く手を阻む。
そして、目の前に浮遊するファルコンオルフェノク。
翼が大きく開かれ、その内から羽根が二人の心臓を突き刺そうと飛翔する。
「うぁアアアアアアアああああああああああああ!!!!」
ドンッッッ!!
その瞬間、蒔風が二人の目の前に着地した。
落下とも思えるような音を出し、羽根の前に立ちはだかる蒔風。
そして剣を振ってそのすべてをはたき倒し、最期に獅子天麟をフルスイングしてその風圧で羽根をバラバラと落す。
だがその突風は相手を落とすほどでなく、その嘴で蒔風を貫こうとファルコンオルフェノクが突貫してきた。
その嘴を蒔風が両手で掴み取り、ズァッ!!という摩擦音を足元から出して耐える。
「クルルルルルルル・・・」
「ま、蒔風?」
「こいつらはやらせない・・・絶対にやらせない・・・・殺させてなんかァ!!」
「キュァッ!?」
「させるかよォッ!!!」
ブォンッッ!!
蒔風が目に涙を溜め、恐怖に震えながらもファルコンオルフェノクを投げ飛ばした。
バガンッッ!!という音がして、ファルコンオルフェノクは狭い試着室に叩き込まれて腰から落ちる。
そこから直ぐに起き上がろうとするファルコンだが、上体を起こした瞬間に蒔風の膝がめり込んで再び地面に落ちた。
そしてそこから蒔風が撥ねてマウントに立ち、風林火山を構えて回転した。
「ウォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「ギギュゥゥゥゥウううううううううううううううううううう!!?」
蒔風は風林火山を持って回転するだけだ。
刀の柄同士を付け、四本から二本一対の刀になった風林火山が、その回転に合わせてファルコンオルフェノクを切り刻んでいく。
次第にその体から青い焔がチラチラと噴き出し始め、それは風林火山の刀身に宿っていく。
蒼炎の刃の回転。
その速度は次々に上がって行き、やがて床に接地して火花を散らすところまでそれは続いた。
そしてその接触と共に、独楽のように回転していた身体が勢いを落としてやがて止まる。
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