第四章 RE:BIRTH
Longing Story
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身を返して回避し、腕を掴んで捻りあげる。
その腕はその一人自身に向かって行き、顎の下に警棒の先端が当たって彼の意識を飛ばす。
電撃って本当に頭蓋骨見えるんだ、と感心しながら初原はその警棒を手にして左右の男にちょんちょんと当てて身を翻す。
少し当てられただけだが、その二人は全身が痙攣したまま気絶して地面に倒れる。
そしてそのまま警棒を投げ、相手がそれを弾いたところで同時に顔面に飛び蹴りをぶちかまして抜けた。
疾走する局員たちの群れを抜ける初原。
ここまで彼は一度も止まっていない。
その場で回転などあるが、必ず少しは先に進んでいる。
「常に移動すれば集中攻撃もできないだろ?多人数の際、優位なのは圧殺できるかどうかじゃないんだよな、これが」
「なに・・・!?」
コリコリと頭を掻きながら説明する初原。
しかし、そんな隙だらけに見える彼に、局員たちは攻め込めない。
「相手が止まったらそれも優位になるんだがほら、人間は逃げるし、動くし。多人数の時はな、矢継ぎ早に投入して相手の体力削んのがセオリーなんだよ。あんたら・・・戦闘経験無いな?」
「この野郎・・・粋がりやがって!!」
「だったらどんどん行ってやろうじゃねェか!!!」
相手の怒りに火がつく。
相手を委縮させる佳景山とは正反対だ。
だが、そこで初原がにやりと笑う。
「(ピィン)っと、オラァ!!」
「ッ!?なんだ!?」
「これは――――!!」
最初に聞こえた音。
投げられたものの形。
そして、それは自分たちのド真ん中とくれば推測はたやすい
「手榴弾だ!!下がれ!!」
「チクショウ!!」
ドッ、バァッッ!!!
「ッッッ!!!」
――――――ィぃィイイイン
「ゴぁゥっ!?」
「す、閃光弾!?」
「蒔風と一緒にいーろいろやってんだぜ?あいつの騙し討ち戦法を一緒に磨いたのは、誰だか覚えときなぁ!!」
眼の見えなくなった局員はもはや烏合の衆だった。
さらには相手の警棒を奪っての攻防、足元水浸し状態での放電。
彼が武器を持たないのは、ただ格闘技戦が出来るからではない。
手八丁口八丁。武器に縛られない。それが彼の戦い方だ。
そうして五分後。
無双をしていたアリスがどんどん引き付けたおかげで佳景山達の負担は思ったよりも少なく戦闘はすぐに済んだ。
蒔風はというと
「もういない?もういないよな!?」
「はいはいいないから。とりあえずその剣危ないから早くしまえ」
剣を強く握って辺りを見渡していた。
それを佳景山と初原になだめられ
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