第四章 RE:BIRTH
Longing Story
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!」
ヴォン!!
「あだっ!?」
「ぐえっ」
「きゃっ・・・と?」
ゴン!バン!と佳景山と初原が、壁にぶつかって後ろに倒れる。
壁の正体は、蒔風のバリアだ。
ドーム状のそれを球に張った物だから、勢い余って二人は不意打ち気味に正面から衝突してしまった。
「って〜〜〜・・・・」
ガキギギギギギギン!!
そして、佳景山が文句を言う前に銃撃が飛来した。
バリアを幾度もノックしながら、全方位から銃弾が火花を散らす。
蒔風はというと目をつぶってしまっていて、地面に立てた剣に縋り付くようにしてしゃがみ込んでいた。
顔色は青ざめている。
そして、バリアが耐えられていることに一瞬ほっとしていた。
「よかった・・・」
「よかったじゃない!!こっちは頭打ったぞ!?」
「いや、わりぃ。でもほら、銃危ないし。どっから来るかわかんないし」
「だったら一声かけろっての!初原もなんか言ってやれって!!」
「待った、今たんこぶにならないように押さえてるから」
「・・・・さいで」
初原もしゃがんで頭を押さえている。
こっちを向かないあたり、多分半泣き状態なのだろう。ぶつかった音も大きかったし。
一方、アリスはバリアに手を置いて状況を見ると同時に推察していた。
蒔風が得てしまった死の恐怖。
蒔風はそれで「生の異端者」から外れた。
生死に関する人間味は増えたが、弊害もある。
立ち向かおうとしないということだ。
つまり、このバリアが今の蒔風の在り方を形作ってしまっいる。
このままでは、蒔風はこのままの男になる。
文字通り「殻に籠る」
身も蓋もない言い方をすれば、引きこもりだ。
「舜」
「ん?」
「バリアを解いてください」
「えーーーーーっと・・・・・」
アリスの言っていることは理解できる。
敵を倒そうというのだ。
だが、それは同時に危険に身をさらすということだ。
それは怖い。
すごく怖い。
死ぬのは絶対に嫌だった。
「このまま進めば・・・・」
「相手がここで「あの銃」等を使ってこないのはここの柱が崩れたら施設が崩壊するからでしょう。逆に言えば、ここのエリアを抜けたら使ってきます。それに耐えられますか?」
「じゃあ!!そこまで言ったらアリスがバリアを・・・・」
「いつまで甘える気ですかッ!!」
「ッッ――――!!!」
アリスの怒号。
あーだこーだと言い訳を述べる蒔風に、ついに飛ぶその言葉。
それは甘えだと。
信頼している。
頼りにしている。
助け合う。
それはいいことだ。
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