第四章 RE:BIRTH
戦う君は 美しい
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「パニッシャァーーーーーーーーー!!!!」
翼刀の拳がほどけ、指が押し退かされて開き
「パンチィィーーーーーー!!!!」
腕で受けきれなくなったその衝撃が、翼刀の顔面を正確にとらえる。
翼刀の目には、すべてがスローに見えた。
砕かれる拳
受けきれない想い
それはあまりにも彼にはまぶしかった。
その目の前の光を見て、つぶやいた。
「嗚呼・・・戦う君は・・・・・・美しい」
そして、視界が暗転する。
唯子の拳が、翼刀の体を跳ね飛ばした。
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「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・!!!」
両肩をダラリと下げ、唯子が滝のような汗に片目を閉じて先を見る。
目の前には、自分が拳と共に放った気力とオーラで瓦解した道路とビル群がある。
だがそれがはっきり見えるわけではなく、今だそこに残留する気力の粒子で霧のようになっている。
光が停滞している、という表現が正しいかもしれない。
この先には、おそらく翼刀がいるのだろう。
手応えからして死んではいないはず。
だが、いつまでたっても彼がやってくる気配はない。
いや、途中からわかっていた。
彼の気配そのものがそこにない。
『唯子さん、唯子さん!?』
「あ・・・はい・・・なんですか?」
そこで通信が入る。
相手はアリスだ。
『すごい息切れですよ!?何をしたんですか!?というかまさか・・・!!』
「えっと?」
『「鍵」です!!私が分からないと思いましたか!!まったく・・・あれは本来世界からの干渉があって初めて現れるものですよ!?それを個人が手に入れるなんて、聞いたことがないです!!!!』
「あ、すみません・・・・」
『・・・・しかし開けてしまったものはしょうがないです。今すぐ戻ってきてください』
「え?でも私これから・・・・」
『も ど り な さ い!!世界のバックアップのなしにそんなことして、体に異常がないかのチェックは当然です!!!』
「あ、はい・・・わかりました・・・・」
あまりの剣幕についヘコヘコと頭を下げてしまう唯子。
通信越しなのに。
そして、唯子が最後に光の方を見る。
そこには確実に、人の気配はなかった。
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