第四章 RE:BIRTH
戦う君は 美しい
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そして目の前の少女は、すでにその段階を越えていることに
「ハァあああああああああああ!!!」
唯子が拳を振り下ろす。
それが触れるタイミングに合わせ、翼刀が全身を内から捻り上げて衝撃を腕に込める。
そして、不動拳の為に、唯子が拳を
「ダァッっ!!」
ドォッッッ!!!
――――――――――――止めなかった。
「なっ!?グォォオッッッ!!!!!」
「言ったでしょ!!手を抜いたら」
―――――命はないわよ!!!
ゴッッッ!!!
さらなる衝撃。
すべては唯子の拳からそれが送り込まれる。
無論、翼刀も己の持つ力すべてを送り込んでいるつもりだ。
渡航力から来る歪みの力も、全部拳に載せている。
にもかかわらず、唯子の拳は止まらない!!!
「この技は――――!!!」
「そう!!不動から至り、そして動と共に打ち出す拳!!」
単純な話
これは不動から打ち出す拳に、振りかぶりからの勢いも付けたらどうなるか、という話だ。
当然、それは強くなる。
だがそれを行うのは言うほど楽じゃない。
何せ思い切り殴り打ち込み「押し貫く」のと、当てた状態から衝撃のみを「押し当てて叩く」の二つを同時にこなすのだから、筋力にかかる負担も計り知れないものだ。
それは二つの相反する事象の再現。
もはやそれは努力や才能でどうにかなるものではない。
それは「武術」の領域を越え、「魔術」へと至り、「魔法」と呼ばれるものに昇華される。
綺堂唯子は”no Name”の人間だ。
世界が結合しても、力の解放がなかったもの。
しかし、この力を発揮するにはそれではダメなのだ。
ならば、どうしたのか。
簡単である。
開かない扉は―――
「抉じ開けるッッ!!!」
キィィーーーーン!!という甲高い音がして、唯子の左手から光が漏れる。
そこに握られれているのは、一つの鍵。
我々も見た頃がある、あの鍵。
それはこの世界の主人公の力を開放し、幾度となく翼人を覚醒させたあの鍵である!!
「越えたいと、心から願った」
ブァアッ!!
「あなたにこの手が、届くように!!」
シュ・・・ゴッ!!
「そして、この鍵を手に入れた」
ギチィッッ!!!
「新しいわたしへの、解放の扉!!!」
その場に、唯子を中心に気力の粒子とオーラの膜が吹きすさぶ。
それはまるで妖精の踊り場のようであり、激しさは美しさへと直結する。
「真!!!」
その力が結集し、唯子の拳が翼刀の拳を粉砕する。
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