第四章 RE:BIRTH
戦う君は 美しい
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」
「あんなに戦うことが苦手だったお前を、そこまで変えさせてしまった原因は!!!」
翼刀が掴んでいた唯子の拳を放るように投げる。
唯子は難なく着地するが、翼刀は泣きそうな顔に手をかぶせて唯子に向く。
「お前をそんなに変貌させてしまったのは俺だ!!俺のせいでお前をそんな体にした!!」
「違う!!」
「違うものか!!俺は街どころか、お前すらをも変えてしまった!!!」
そう、その変わり様は凄まじいもの。
道場では一、二を争う弱い女の子。
守ってあげなきゃいけなかった子。
何よりも守りたかった、大切なもの。
それすらもこんなに変わり果て、自分の前に現れて
それは、鉄翼刀の心に巣食う、罪罰の痛みを加速させる。
「止めてくれ!!お前はオレを苦しめるだけだ!!」
「じゃあ苦しみなさいよ!!」
「な・・・・」
泣き言を言う翼刀に、唯子が激昂する。
見ると、唯子の目には涙が溜まっている。
だがその顔は「泣き」に崩れるどころか、凛とした美しさを放っていた。
鋭い目つきが、翼刀を突き刺す。
「私だって辛かった!!苦しかった!!あの実験室で、私も確かに死ぬような思いをしたのよ!!」
「だからッ・・・・!!」
「だけどそれは貴方にやらされたわけじゃないッッッ!!!」
「っ!!」
「あんたのせいでこうなったって?うぬぼれないで翼刀!!そんなすべてを背負うなんて、私たちには無理に決まってるじゃない!!!」
「だが!!これは俺の罪だ!!」
「そうよ!!でも「今のこの私」を選択して掴み取ったのは、ここにいる綺堂唯子よ!!!」
そうだ
私は一度として仕方ないから、しょうがないからと思ってやったことはない。
口では何とでも言おう。
「しょうがないわね」「仕方ないわね」「そんなつもりじゃないんだから」
本音を言うのはいつだって恥ずかしい。
だけど、一番弱くても道場に行ったのも、翼刀のそばにいたいのも、あの「実験」を受け入れたのも―――――!!!
「今までの私を作り上げてきたのは間違いなくここにいる私自身!!そのすべての幸福、成功、そして失敗も、後悔も、惨劇も!!!全部私の歩んだ道だ!!いくら翼刀でも、そのすべてを取らせるわけにはいかないのよ!!!」
「じゃあ・・・おれは・・・・」
「確かにね、翼刀の罪は罪よ。でもね、逆に言えばあなたは貴方の罪だけ背負っていればいい!!」
言わんとすることはわかる。
だが、そんな言葉で簡単に流せるような罪なら、自分はここまで苦しみはしない!!!
「いまさらそんな簡単に受け入れられるか!!なん
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