第四章 RE:BIRTH
薄緑の壁
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にも似たその声が、理樹の真下から聞こえてくる。
理樹が腕を伸ばして耐えながら、脇の下からその方向を確認すると、そこにいたのは
「鉄―――――翼刀ッッ!!」
「止まるな・・・戦えェ!!」
「ぐ・・・ソォォォおオオオオオオ!!!」
理樹が叫ぶ。
しかし、動くことができない。
ヴァルクヴェインを頭上で二回転程回して、肩に担いで理樹に向かう翼刀。
もう終わりかと思われた、その瞬間
「翼刀ォォーーーーーーーーーー!!!」
「あ?――――ぐっっ!!?」
鉄翼刀の真横に、綺堂唯子の乗ったバイクから発射された拳大のゴム弾が命中した。
真上に飛び上がったところに横からの殴打。
その衝撃を逃すこともできず、翼刀がビルに向かって突っ込んでそのなかに消える。
理樹がその方向を見ると、ビルの屋上を飛び移りながらこちらに向かう、バイクに乗った唯子が向かってきていた。
『理樹さん!!バリアを窪ませてください!!』
「唯子さん!!」
理樹の通信機に唯子の声が聞こえてくる。
確かに、その形なら周囲はある程度の硬度だけあれば滑り落ちてくるから大丈夫だろう。
窪んだ一点に硬度を集めれば、耐えられる。
しかし、その後がどうしようもなくなる。
たまった膨大なエネルギーを、どうすることもできなくなるのだ。
『私が何とかします!!早く!!』
「わかっ・・・・た!!!」
しかし、他に今この状況を打破する考えはない。
理樹がその形にバリアを変形させて、彼女がたどりつくのを待つ。
光弾はバリアを滑って行き、窪んだ中心―――理樹の真上に集まってきている。
その光にゾッ、とする理樹だが、それでも唯子を信じて待った。
そして
「行きますよぉ!!」
唯子が最期の足場になったビルの屋上で、走行中のバイクから一気に飛び出して理樹の元へと辿りつく。
理樹は彼女がこの場につけるよう、バリアで足場を作ってそれを待った。
唯子がその足場に着地し、飛んできた勢いをそのまま腕に回し、両掌を華が開くように構え、バリアの窪んだ中心にブチ当てた。
「破ッッ!!ァ唖ッッ!!!」
バンッッ!!という音が新たに響き、溜まって一つになった光弾が逆再生のようにバラバラになり、バリアに沿って立ち上っていく。
それは落ちてくる光弾を巻き込んでもなお勢いが落ちることなく、そのままバリアから打ち上がって、ラピュタ最上部の打ち上げ台に向かって伸びあがって行った。
ドゴォンッッッ!!!!
そして、着弾。
最上部のエネルギー射出機構が爆発し、これ以上の花火が打ち上がることがな
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