第四章 RE:BIRTH
薄緑の壁
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刀の力が働いていないわけではない。
しかし、それでも彼の想いは堅かった。
「ダぁッッ!!」
「おグっ!?」
バリアを纏った硬拳が翼刀の胸板をぶん殴った。
そこを押さえながらバックステップしていく翼刀。
理樹が翼刀から目を離さずに叫ぶ。
「真人、謙吾!!こいつの相手は僕がする!!」
「大丈夫なのか?あいては・・・・」
「任せて!」
「・・・・わかった。行くぞ真人!」
「おう!!」
そして、二人が去る。
夜の街に、火柱が上がる。
恐らく模造戦士との戦闘でどこかから火が上がったのだろう。
チリチリと肌が焼けていく感覚が、彼らの背中を押しだして
「ハァ゛ア゛ッッ!!!」
「行くぞッッ!!」
爆発したかのように、二人が正面からぶつかり合った。
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バイクが闇夜の中を奔る。
場所はミッドチルダに向かう高架橋の上。
前方上空には、地上から照りだされたラピュタが見える。
「直枝さん、そいつそっから逃がさないどいてください!!」
『唯子さん?まさかこっちに・・・・』
「あと少しです!!!」
道路上には、模造戦士の残骸が残っている。
遮るものは、何もない。
そして、道はミッドの中に入り込み、もっとも近い出口へとハンドルを切る。
「―――――――見えた!!!」
高架橋から見えた景色。
炎に包まれ、所々から爆発音が響き渡るミッドチルダ。
防衛機能は生きていて、今後の街には支障はない。
だが、それがわかっていても
「キツイね・・・・・私の街も、こんな感じだったのかな・・・・・」
綺堂唯子は知らない。
自分の街がどのように壊滅したのかを。
その時彼女は地獄のような「実験」の中にいたのだから。
自分は背負いきれていないのかもしれない。
しかし、この惨状を見て思い起こす。
彼が見たのはこれ以上の惨状かもしれない。それを自分の手で招いてしまったとあれば、あの彼が自責の念に苛まれるのは容易に想像できた。
「くぅっ・・・・・」
だから、悔しい。
そんな彼を理解しきっていなかった、自分自身が腹立たしいのだ。
だが、もう私は今までの私じゃない。
変わってしまったところもある。もう戻れない過去だってある。
だけど
「だからって今から目をそむけていたら、なんにも始まらないじゃない・・・!!!」
カカンッ、ギュィッ!!
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