暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
漆黒と闇
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いる。刃が火花を散らす。

だが、そこに向かって二本目の剣を、片刃剣の上に叩きつけた!


バゴンッ!!という壮絶な音がして、煙が揺れる。
いくら鎧と言っても、それだけの衝撃なら後方にふっとびそうなものだが、それでも「闇」は少しひるんだくらいだ。

しかし、クラウドはまだ終わってない。


その二刀を手放し、しかし落ちないように脚で蹴る。
蹴ったそのまま空中反転し、更に二刀を「闇」の両肩口に振り下ろした。
また放す。

そして、喉元に向かって最後の一刀を突き立てた。


現在「闇」の身体には、ファーストを含め剣全六本が密着している。
その状態から、クラウドが拳を固く握りしめて、その目に魔洸の光が灯される。


「アァッッ!!!」


ゴッ、バキッ!!


「そ、そんな・・・・」

「ゼァアッッ!!!」

ズッ、パァンッッッ!!!


蒼い魔洸を全身から迸らせ、それを一点に集めてクラウドの拳が「闇」の黒煙を破った。

剛拳は煙鎧を打ち破り、「闇」の腹部に重々しいダメージを与えている。



拳を突き出したままで、「闇」の吹き飛んだ先を見る。
大木の幹に衝突した彼女の体が、その後メキメキと倒れてきた巨木での土煙に見えなくなる。


「・・・・・・」


クラウドの一撃は入った。それは紛れもない事実だ。
しかし


「ぐゥッ!?」

クラウドが手首を押さえて呻く。

今彼の右手は「力の抜けたパー」を出している形だ。
見ると、その手首からは血が流れており、うまく力が入っていないことを表している。


「鎧の断面に切断効果・・・・か・・・・やられたな・・・・ッ!!!」



相手の能力を推し量るクラウド
剣を拾って身に着けるが、そこに大きな塊が飛んで来た。

飛んできたのは、巨木を輪切りにした物。
飛んできたのは、土煙の中から。


それを転がって回避するクラウド。
だが、背後に気配を感じてちらりと振り返った彼は驚愕と共に戦慄する。

背後の民家から子どもを抱えた父親と母親が飛び出してきた。それぞれ一人ずつ。
母親は乳児を、父親は小学生ぐらいの子を。


幸いにも一つ目は当たらなかったようだが――――



その状況を見、クラウドが顔を前に戻す。
さらに飛来する木塊は総数四つ。

冷や汗が吹きだす。
顔一面にシャワーを浴びた感じだ。



「ウォオオッッ!!!」


クラウドは剣を左手で構える。拾えた剣は二つだけ。
片刃剣一つ、両刃剣一つ。

クラウドは剣を振るい、一つ目を斬り捨てた。
だが左手では思い切り振るだけでやっと斬れるくらいだ。あと三つも持たない。

木が固いので
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ