第四章 RE:BIRTH
漆黒と闇
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いる。刃が火花を散らす。
だが、そこに向かって二本目の剣を、片刃剣の上に叩きつけた!
バゴンッ!!という壮絶な音がして、煙が揺れる。
いくら鎧と言っても、それだけの衝撃なら後方にふっとびそうなものだが、それでも「闇」は少しひるんだくらいだ。
しかし、クラウドはまだ終わってない。
その二刀を手放し、しかし落ちないように脚で蹴る。
蹴ったそのまま空中反転し、更に二刀を「闇」の両肩口に振り下ろした。
また放す。
そして、喉元に向かって最後の一刀を突き立てた。
現在「闇」の身体には、ファーストを含め剣全六本が密着している。
その状態から、クラウドが拳を固く握りしめて、その目に魔洸の光が灯される。
「アァッッ!!!」
ゴッ、バキッ!!
「そ、そんな・・・・」
「ゼァアッッ!!!」
ズッ、パァンッッッ!!!
蒼い魔洸を全身から迸らせ、それを一点に集めてクラウドの拳が「闇」の黒煙を破った。
剛拳は煙鎧を打ち破り、「闇」の腹部に重々しいダメージを与えている。
拳を突き出したままで、「闇」の吹き飛んだ先を見る。
大木の幹に衝突した彼女の体が、その後メキメキと倒れてきた巨木での土煙に見えなくなる。
「・・・・・・」
クラウドの一撃は入った。それは紛れもない事実だ。
しかし
「ぐゥッ!?」
クラウドが手首を押さえて呻く。
今彼の右手は「力の抜けたパー」を出している形だ。
見ると、その手首からは血が流れており、うまく力が入っていないことを表している。
「鎧の断面に切断効果・・・・か・・・・やられたな・・・・ッ!!!」
相手の能力を推し量るクラウド
剣を拾って身に着けるが、そこに大きな塊が飛んで来た。
飛んできたのは、巨木を輪切りにした物。
飛んできたのは、土煙の中から。
それを転がって回避するクラウド。
だが、背後に気配を感じてちらりと振り返った彼は驚愕と共に戦慄する。
背後の民家から子どもを抱えた父親と母親が飛び出してきた。それぞれ一人ずつ。
母親は乳児を、父親は小学生ぐらいの子を。
幸いにも一つ目は当たらなかったようだが――――
その状況を見、クラウドが顔を前に戻す。
さらに飛来する木塊は総数四つ。
冷や汗が吹きだす。
顔一面にシャワーを浴びた感じだ。
「ウォオオッッ!!!」
クラウドは剣を左手で構える。拾えた剣は二つだけ。
片刃剣一つ、両刃剣一つ。
クラウドは剣を振るい、一つ目を斬り捨てた。
だが左手では思い切り振るだけでやっと斬れるくらいだ。あと三つも持たない。
木が固いので
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