421部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその三
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第三十四話 田豊、策を用いるのことその三
そしてだ。匈奴達がお互いの争いで傷ついたその時にだった。攻めるのであった。
「よし、今でしてよ!」
「はい!」
「わかりました!」
全軍で応えてだった。
匈奴の軍勢に攻撃を仕掛ける。無論そこにはだ。
「文ちゃん!」
「ああ、わかってるさ!」
顔良と文醜もいる。馬上からその武器を繰り出す。
「えい!」
「喰らえ!」
鎚と巨大な剣でだ。匈奴の者達を吹き飛ばす。
そして高覧もだ。自身の武器を振るう。
そこでだ。張?に言うのだった。
「ねえ花麗」
「どうしたの?」
「この戦い思ったより上手くいったわね」
「そうね」
張?も高覧のその言葉に頷く。
「これでね。ただ」
「ただ?」
「おかしなところはあるわよね」
張?は首を傾げてこう言うのだった。
「匈奴の侵攻は」
「確かに。最近の匈奴は大人しかったし」
「北の方もね」
「それが急に十万もの大軍で攻めて来るなんて」
「ちょっとおかしいわよね」
「それに」
高覧もここで気付いたのだった。
「黒檀を捕らえて連中に送ったのは誰かしら」
「誰って」
「何者かにさらわれてそれで匈奴に売られるなんて尋常じゃないわ」
「そうね。あの娘は洛陽の名門の娘だし」
「そんな娘に手を出せる相手って誰かしら」
高覧は戦いながら考えていた。
「それって」
「考えれば考える程わからないことね」
「麗羽様も首を傾げてらしたけれど」
袁紹もだ。彼女を保護したうえで奇妙に思っていたのである。
「こんなことってないわよね」
「ちょっとね」
「最近匈奴がおかしいわね」
「ええ、確かに」
頷く張?だった。彼女達は明らかにおかしなものを感じだしていた。
戦い自体はあっさりと終わった。田豊の策が奏した袁紹軍の勝利であった。
袁紹は勝利を収めてだ。すぐに兵を戻して帰るのだった。その時にだった。
「善光と陳花ですけれど」
「はい」
「どうされますか」
「西方の政が一段落したら戻るように伝えなさい」
そうせよというのである。
「これからは冀州において政治ができますわ」
「わかりました、それでは」
「使いの者を出しておきます」
「そうなさい。さて」
袁紹はここでだ。にんまりとして笑って言うのだった。
「これでわたくしは幽州の牧になりますわね」
「はい、それは間違いありません」
審配がこう答えた。
「西方だけでなく北匈奴も追い返しましたし」
「武勲としては充分ですわね」
「それにです。幽州は劉備殿がおられますが」
幽州のその事情も話すのだった。
「牧はいませんし」
「劉備さんが牧に任じられることも有り得ましたけれどね」
「まああたい達の方が勢力はずっとでかいし
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