第四章 RE:BIRTH
輝かない翼
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そうして俺を無理やり戦いに駆り出すのかよ!!あんたは!!!!」
ガシャンと、蒔風の座っていた椅子が倒れる。
その音と同時に、アリスの胸倉に蒔風は掴みかかっていた。
「何もかもあんたが言ったからだ!!俺が戦わなきゃいけなくなったのも、無数の世界で死にかけたのも!!思い出しただけで見ろ!!こんなにも体が震える!手に力が入らない。足がすくんで踏み出せない!!!一番最初にあんたが来た時、俺が答えたられたのは死ぬのが怖くなかったからだ!!理から外れていたからだ!!それがなくなっても、あんたはまだ俺に戦えというのか?命を落とし、苦しむような場所に行けと言うのか!?」
「それは・・・・」
「俺はな、そりゃ多少のケンカはしていたが、命のやり取りをするような人間じゃなかったんだよ!!それをあんたが駆りだした。俺が理からずれているのをいいことに!!!」
一呼吸して
「そんじょそこらの人間に、いきなり力が与えられ、それで死に物狂いで戦えというのか!?あぁ、確かに経験はあるさ。戦い方もわかる!!でもな、だからと言って簡単に命かけられると思うな!!死ぬのがどれだけ怖いか、あんたにわかるか!?えぇ!?」
アリスが悪いわけじゃない。
何も悪い者などありはしない。
だけど、だったらこの感情は何処に向ければいいのだ?
この噴き出す不安を、どこに
そんな間違い、わかってる。乗り越えるべきだと、理解している。
でも、その一歩が踏み出せない自分が、たまらなく嫌だ。
「ああそうさ!!戦わなきゃならないんだよ!!立ち向かわないといけないんだ!!こんな俺が嫌で嫌で、だから「蓋」を作ったんだ!!でももうあんなもの作りたくない。俺はもう!!人間でいたいんだよ!!」
アリスの胸倉をつかむ手は、いつしか力をなくしていた。
掴みかかっていたその手は、今はまるで、救いを求めてすがりつくような。
「俺も・・・みんなと・・・!!!でも・・・・怖いんだ・・・・!!」
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アリスが、部屋を退出する。
フィリップの体を医務室のベッドに寝かせ、それから携帯を取り出して連絡をはじめた。
「もしもし、私、アリスです。・・・・えぇ、お願いします。あれだけのもの、何のサポートもなしにあるわけありません」
『わかりました。彼も?』
「そうですね・・・連れて行きます。荒療治が必要のようですから」
『うまくいきますか?』
「やらねばなりません。借り出したのも私です。追い詰めてしまったのも、私です。だったら、彼が立ち
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