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KANON 終わらない悪夢
56日が傾くと闇落ちする栞さん
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長先生の家で、もう一人見知った顔があるはずだよ)
 昨日渡された3500万ほど入った預金通帳、先物会社「天使の先物」に家、土地、退職金、恩給全部差し押さえられ、マイナス5000万ほどで放り出された校長。
「いや〜〜っ! それ私の預金じゃない、ジジイと関係ないだろっ?」
「貴方が労働によって得た収入ではなく、お年玉やお小遣いとして貰ったものですね、調査済みです」
 栞が虐められていて怪我をしても「私の生徒にそんな悪い子はいないよ、君が何かしたんだね? 言ってみなさい」と言い渡して、どうしても「自分で転んだ」と誘導して言わせ、絶望させたクズが処刑されていた。
 泣いている女の声も何か聞き覚えがあって、栞にも家の入口で真っ青な顔で震えている老人の姿が見えた。
「あら、校長先生じゃないですか、どうしたんですか〜?」
 大体の事情を知っていながら、笑って話しかける悪魔。
「き、君は?」
 脳が腐った公務員らしく、嘘ばかり言う口はひん曲がって、顔ごと曲がっていたが、今日は苦痛に塗れた表情で、いつもの人をあざ笑うような表情は消え、ほんのすこし人間らしい顔もしていた。
「小学校の頃「お世話になった生徒」です、覚えてませんか?」
「すまない、生徒が多すぎて、子供もそんなに成長してしまうと分からない物だよ」
 また世間体を繕った顔をして格好を付けようとしているので追い打ちをかけてやる。
「出戻り娘の産んだ孫が、昔やらかしましたよねえ? 小学校で虐めやってて「傷害事件」起こして、そんなの教育長にバレると出世に響くから「無かったこと」にしましたよね? 今日のはその簡単なお礼です、うふふ」
「なっ?」
 絶句した校長が栞を舐め上げるように見て、孫が傷付けたどの子供か見分けようとした。
「へえ、あの馬鹿、私が誰かも分からないぐらい、何人もやっちゃったんですね、学習能力無いなあ。あの頃は校長先生と名字が違うから、何言われてるか全く分かりませんでしたけど、こういう仕組みだったんですねえ」
「きっ、君はっ、君がっ!」
 いつもならポマードべったりで寝かしつけているバーコード頭も、昨日この家での最後の入浴をしてから髪もバラバラで、落ち武者みたいな無様な格好で立ち上がった。
「美坂栞、貴方のお孫さんに毎日虐められて、雑巾の絞り汁とか飲まされてました〜、これからは校長先生はタコ部屋行きで、お孫さんは大人のお風呂屋さんでオッサンの精子上下の口で飲まされて、親子仲良くとらば〜湯ですよね〜、あはははははっ」
「うわああああああああっ!」
 既に公職追放されて、お情けで辞職扱い、ただの錯乱したジジイになった老人が襲いかかったが、そんなものは今の栞には何の効果も無かった。
「フンッ!」
 校長の孫にやられたように、突き飛ばして肋骨を一本と思ったが、栞のマッスルボ
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