0085話『阿武隈の憂鬱』
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肩を掴んで揺すってしまいました。
「おおお、落ち着け阿武隈。わかった、俺がなんとか考えてやるから!」
「本当ですか!?」
「ああ。ちょうどこの話題は球磨姉さんと多摩姉さんともしていたからな。ちょうどいいしな。ちょっと付き合え、阿武隈」
木曾さんに付き合えと言われたのであたしは正直に木曾さんに着いていくことにしました。
そしてやってきたのは……、
「ここって……球磨ちゃんの部屋だよね?」
「そうだぞ。今頃は多摩姉さんも一緒にいるだろうから一緒に話し合おうじゃないか」
それで木曾さんは扉をノックする。
中から、
『合言葉を言うクマ』
「球磨型は最強……」
『よし、入るクマ』
そんな、なんか面白いやり取りを木曾さんと球磨ちゃんがしながらも木曾さんは扉を開けてあたしを球磨ちゃんの部屋の中へと招き入れてくれました。
そこには木曾さんが言っていた通りに多摩ちゃんも一緒にいて寛いでいました。
「木曾。よく来たクマ」
「待ってたにゃ木曾。おりょ……? 阿武隈の姿があるにゃ……?」
「ああ。阿武隈が俺たちと同じく北上姉さんにプレゼントを渡したいんだとさ。それでちょうどよかったから連れてきたんだ」
「そうかクマ。まぁいいクマ。阿武隈なら特別に許してやるクマ」
「ありがとう、球磨ちゃん……」
「いいクマ。これも軽巡仲間のよしみだからクマ」
「そうニャ」
それで球磨ちゃんと多摩ちゃんに許しをもらって北上さんの進水日のお祝いをすることになりました。
「ちなみに阿武隈はもうプレゼントは用意してあるクマ……?」
「あ、はい。……でもそうなるともう大井さんはプレゼントを渡していましたけど、そこのところはどーなんでしょう……?」
「なにクマッ!?」
「本当にゃ!?」
それで球磨ちゃんと多摩ちゃんは驚愕の表情をした後に、
「……大井に先を越されたクマ」
「うむ。大井には事前に伝えておけばよかったにゃ……」
その二人の反応におそらくだけど大井さんはフライングで渡してしまったのだと悟りました。
それで二人は木曾さんとともに少し諦めた表情になって、
「まぁ……大井についてはもう諦めるクマ」
「そうだにゃ」
「ああ。大井姉さんは言っても止まらないからな。俺達だけでも通常通りにお祝いの準備をしておくとするか……」
そして三人は疲れ切った表情でため息をついていました。
うーん……ここでも大井さんは少し問題児なんですねぇ……。
「それじゃ気を取り直して二人が来るまでに準備をしておこうクマ」
「そうだにゃ。木曾、阿武隈も手伝うにゃ」
「わかった、姉さん」
「わかりました」
それで四人で部屋の飾り付けなどをして事前にケーキも用意していたのかテーブルの中心に置かれました
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