第4章:日常と非日常
第113話「修学旅行」
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素手になったが、あっさりとカウンターをした事で男を伸した優輝。
司もある程度ダメージを負わせたのか、男は全員片付いていた。
「……さと、し……」
「玲菜、大丈夫か?」
「っ……!」
助けられた玲菜は、聡に思わず抱き着く。
「怖かった……!怖かったよぉ……!」
「玲菜……」
その体が震えている事に気づき、聡は彼女をそっとしておいてあげた。
「ううっ……聡………」
「(…あぁ、そうか。俺…気づいてなかったんだな…)」
助けられたという事実による安堵。
それによって、聡は自分でも気づいていなかった“想い”に気づく。
「(…俺、玲菜の事……)」
「ね、優輝君、あれ…」
「しっ、良い雰囲気だから邪魔しないように…」
「あ、うん。」
誰かが来るまでの間、男たちが復活しないように男たちが持っていた縄などで手を縛っていた優輝と司は、二人の雰囲気を見て邪魔をしないようにする。
「それにしても、この人達の目的って…」
「雰囲気や態度を見た限り、愉快犯が一番妥当かな。…少なくとも、碌な奴ではないのは確かだな」
「小学生を拉致する時点で…確かにね…」
“良くて停学だろうな”と割とどうでもいい事を考えながら、二人は先生を待った。
=優輝side=
「…それで、付き合う事になったの?」
「そうみたいだよ」
帰りの飛行機の中で、司と佐藤さんがそんな会話をしている。
僕と東郷も、後ろの方の先生の近くに座っている聡と玲菜の方を見ていた。
「どっちから告白したのかな?」
「聡らしいぞ。何でも、もしかしたらずっと好きだったのかもとの事だ。」
「わぁ…恋愛モノみたい…」
「それでトラブルがあったのにあんな状態なのか…」
聡と玲菜は互いに恥ずかしそうにしているが、それでもピッタリとくっついていた。
…あ、隣の先生が胸焼け起こしてる…。
「ま、ようやく想いが通じ合ったって所だな」
「そうだねー」
「…ところで、その高校生はどうなったんだ?」
東郷がふと気になったのか、僕に聞いてくる。
「聞いた話だと、有名な不良校らしくて、同じように修学旅行に来ていた僕らから金でも盗るついでに性的暴行を加えるつもりだったらしいよ。当然、退学処分。まぁ、後の就職とかは…僕らの知った事じゃないな」
「…絵に描いたような悪い奴らだったんだな…」
「ま、過ぎた事だ」
想定外の事や、トラブルはあったけど、それ以外は楽しかった。
…頭に残しておくのはそれでいいだろう。
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