暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第113話「修学旅行」
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男は木刀を聡に向けて振るおうとして……。

「っづ!?」

「え……?」

 その顔…しかも、直前で瞑ったとは言え、目に向けて石が飛んできた。

「よし、我ながらナイスコントロール」

「二人共、無事!?」

 飛んできた方を見れば、そこには優輝と司が立っていた。

「優輝…?聖奈さん……?」

「あーあ、殴られちまって…。相手ぐらいちゃんと見ろよ。聡」

「…全員、木刀を持ってるよ。見た所、高校生ぐらいだけど…」

「国際通りにいた連中と同じ高校だろう。…ったく、見るからにガラが悪いな」

 驚く聡と玲菜の言葉を無視し、優輝と司は聡と並び立つ。

「他の奴に先生を呼びに行かせた。相手は高校生、引き下がるのも手だが…」

「ふざけんな!玲菜が捕まってるのに逃げれるかよ!」

「言うと思った…。…じゃあ、助けるのはお前がやれ。」

 そういって、優輝と司がさらに前に出る。

「他は僕らが片づける。…司、やれるか?」

「誰に護身術習ったと思ってるの?…大丈夫だよ」

「上等…!」

 瞬間、二人は動く。

「このっ…ガキどもが!!」

 小石を目に当てられそうになり、逆上していた男が優輝に対して木刀を振るう。
 だが、その程度では優輝には傷一つ付けられない。

「そらよっと」

「がっ…!?」

「聡君!」

「えっ、っとと…!」

 勢いを利用して地面に叩きつける。その際に手放した木刀を、司は聡に投げ渡す。

「なんだこいつら!?」

「小学生だからって…」

「甘く見ないでね!」

 小学生にあっさりと一人やられ、男たちに動揺が走る。
 その隙を二人が見逃すはずもなく、すぐに玲菜を抑えている男のサイド二人に接近。
 足を払い、バランスを崩した所で地面に叩きつける。

「聡!行け!!」

「っ、おおおっ!!」

 木刀を奪い、優輝と司は他の男に牽制する。
 男たちの人数は合計で6人。内3人はすぐに動けず、残りの内2人も優輝と司によって抑えられ、聡は一対一で残りの一人と相対する。

「くそっ、このガキがどうなっても……ぐっ!?」

「卑怯な手は使わせないってな」

「しまっ……!」

「喰らえやこのくそ野郎ぉおお!!」

 小学生にしてやられた事で、残りの一人が玲菜を人質に取ろうとする。
 しかし、そこへ優輝が投げた木刀が飛んできた事で、一手遅れる。
 …そして、聡の渾身の一撃が叩き込まれた。

「が、ぁ……!?」

 小学生とはいえ、木刀の一撃。
 その絶妙なバランスが、男をちょうど戦闘不能にさせた。

「ごふっ……!?」

「よし、片付いたな」

「こっちも完了だよ」


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