第4章:日常と非日常
第113話「修学旅行」
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「拉致って…マジか!?」
「マジだ!急げ!」
「優輝君達は…」
「聡が先走ったから追いかける!」
素早く指示を出し、まずは僕ら以外を大通りに戻す。
人通りが多ければ二の舞にはならないはずだ。
「司!」
「分かってる!…皆、先生への連絡は任せたよ!」
「志導君!?司ちゃん!?」
皆からすれば、追いかけるのは危険だと思うだろう。
けど、その制止を振り切って、僕と司は聡の後を追いかけた。
「都会程じゃないとはいえ、入り組んでいる…!」
「聡君の気配は…?」
「何とか捉えている!でも、急がないと……!」
「うん…!」
普段は制限している身体能力を開放しておく。
犯人が誰か、嫌な予感も兼ねて考えれば大体は分かるが…。
どの道、ちょっとした戦闘は避けられないだろう。
=out side=
「玲菜ぁああっ!!」
聡は駆けていた。幼馴染の玲菜が攫われたのを見てしまったから。
玲菜の想いに気づいていないとはいえ、聡にとっても玲菜は大切な幼馴染。
そんな彼女が危機に面したとすれば、居ても立ってもいられなかったのだ。
……もしくは、彼自身気づいていない“想い”に突き動かされていたのかもしれない。
「見つけた!!」
「さ、聡……」
辿り着いたのは、人気のない廃屋。
そこに、複数の男に囚われるように囲まれた玲菜がいた。
「お?なんだぁ?彼氏か?」
「てめぇら、なんなんだよ!玲菜を離せ!」
体格において、全員が聡を上回っている相手に、果敢に言葉を放つ。
そして、聡も自分に向けられた言葉で相手が如何に下種な類の人物か悟っていた。
「聡っ、逃げて…!」
「玲菜、待ってろ!今助けに……っ!」
「おらよっ!」
「がっ…!?」
運動神経が良いとはいえ、聡は未だ小学生。
高校生である男には、一人相手でも敵わない程だった。
「助けにだってよ。正義の味方気取りかぁ?」
「「「ははははは!」」」
「ぐっ……!」
殴られ、笑われ、聡は自分が何と惨めなのか、思い知らされる。
「っ……」
…だが、それでも。
知っている人…それも、幼馴染が怯えているのを見て、黙っている程……。
……聡は、馬鹿じゃない。
「うるせぇよ…!このくそ野郎共がぁあ!!」
「あ?」
油断している所へ、渾身の一撃を放つ。
跳躍し、放った一撃は見事に顔へとヒットしたが…。
「てめっ!調子に乗るなガキが!!」
倒すには至らず、むしろ逆上させてしまった。
どこかで買ったのか、
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