第4章:日常と非日常
第113話「修学旅行」
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移する。
ちなみに、この転移術は魔法の転移を霊術用に改良しただけで、元から陰陽術などで存在していた転移術ではない。(椿曰く、また別に存在してるとの事)
「…っと」
「いつの間に術式を…」
「いや、これはな…」
転移するには、魔法の時と違って何かしらの目印が必要だった。
で、今回使用した目印が…。
「…まさか、転移してくるとは…」
「昼ぶりですね」
「この人が…」
昼にも会った女性が同じ格好でそこにいた。
そう。この女性に渡しておいた御札が目印だったのだ。
「そこの子がついて来ているという事は……同類か」
「まぁ、そういう事ですね」
どうやら、だいぶ警戒されているようだ。
いつでも槍を振るえる体勢だし、霊力も巡らせているようだ。
……まぁ、あんな怪しい事したらな…。
「とりあえず、一つ聞きたいんですけど……貴女、“式姫”ですか?」
「えっ、それって……」
「っ……!?」
椿や葵、そして蓮さんと同じ式姫。
それがこの女性に対し、僕が抱いた印象だった。
……そして、どうやら図星らしい。
「なぜ、それを…!」
「…かやのひめ、薔薇姫、小烏丸……知ってますよね?」
「…会ったのか?」
式姫としての椿たちの名前を言うと、少し警戒が緩む。
「会った…と言うか、内二人は一緒に暮らしてます。……それで、その返答からするに貴女も式姫の一人みたいですね…。通りで、霊力を感じれた訳か…」
「…ああ。オレはシーサー。…かつての名前は山茶花だ」
「だから沖縄に…。もしかして、“守り人”って言うのは…」
「オレの事だろうな」
なるほど。式姫ならあまり記録に残されないのもわかる。
結局、一族ではなく彼女一人だった訳だが。
「……それにしても、オレ以外にも生きている式姫がいたとは…」
「生きている式姫は、大体隠居しているか、今の世の中に馴染んでいる感じですね。椿と葵...かやのひめと薔薇姫も行動を共にしながら山を転々としていましたし、蓮さん……小烏丸さんも剣を極めながら日本中を旅してます」
「そうか…」
椿たちの事を少し話すと、シーサーさんはどこか遠い目をした。
「……実はな。この沖縄にはもう一人式姫がいたんだ」
「もう一人…」
「狛犬と言う奴だ。馬鹿みたいに真っすぐ…いや、実際アホだったんだが。そんな奴だったが……第二次世界大戦の時に…な」
「………」
霊力の不足による消滅ではなく、人間同士の争いによる戦死…。
幽世に戻されただけだとしても、何か思う事があるのだろう。
「……悪い、空気を悪くしちまったな」
「いえ
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