ガンダムW
1745話
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葉にそう言ってくるが……もしそれが本当だとしたら、トレーズは一体何を考えている。
俺がそう思ってしまうのも、仕方がないだろう。
何故なら、トレーズは連合軍に対して正々堂々とした決闘を挑んできたのだから。
勿論この場合の決闘というのは、1対1で戦うという事ではなく、正面から堂々と勢力同士として戦う事だ。
民間人に被害を与えないように云々、兵士に余計な被害を与えない云々、経済的な損失云々……そして騎士道云々。
まぁ、単刀直入に言えばこのまま戦いを長引かせるのはエレガントではないから、1回の戦いで勝負をつけようと、そういう事だ。
その考えは分からないではない。
それに、普通であればそんな馬鹿な事をと思ってしまうのは当然なのだが、今回の場合は相手がトレーズ本人だということもあり、不思議と納得してしまう。
ただ、問題なのはトレーズ派がそれを守るのかという事。
『トレーズ・クシュリナーダ本人は信用出来る。だが、全員がその意志に従うとは有り得ないのではないか? 特に、奴の腹心のレディ・アンという女は、以前自分達の勝利の為にはバルジでコロニーを撃つと脅してきた相手だぞ? ……まぁ、そのバルジも結局はアクセルに奪われたみたいだが……』
最初はトレーズの申し出を怪しんでいたセプテムだったが、俺の方に微妙な視線を向けてくる。
まぁ、バルジは今も俺の空間倉庫の中にあるんだし、そうなってしまってもおかしくはない。
バルジか。……本当にどうしようもなくなったら、それこそバルジを使ってオペレーション・メテオの如くトレーズ派に落下させてやってもいいんだよな。
いやまぁ、そうなれば地球環境が大きな影響を受けるし、何より勝利しても実行した俺……延いてはシャドウミラーを雇っていた連合軍が非難される事になってしまう。
どうしてもこちらがピンチで、負ける寸前でもなければ、コロニー落とし……この場合は宇宙要塞落としか? そんな手段を取る事は出来ないだろう。
「ま、その件はともかくとしてだ。問題はトレーズからの挑戦を受けるのかどうかだな」
「……厄介な事に、向こうはこの映像を様々なメディアを通じて地球、そしてコロニーの者達にも知らせている。もしこの状況で戦いを避けた場合、周囲のこちらを見る目、兵士達の士気、それ以外にも様々な面で厄介な事になりかねん」
「なるほど」
当然トレーズもそれは狙ったのだろう。
これでこちらが応じなければ、連合軍はトレーズ派との戦いから逃げ出したというレッテルを貼られる訳だ。
勿論戦争というのは、最終的に相手に勝てばいい。
だが……それでも、トレーズにとっては自分達が優位に事を運ぶ為にこのような手段を選択したのだろう。
エレガントに……か。
もっとも、この作戦はかなり嫌らしい作戦だ
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