過去のマイン
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はフクロウやワシといった大型の鳥類に見えるようにしておいた。
「おお、違う世界から遠路はるばるよく来てくれたね」
空港に降りた後、国連の議員の関係者らしいご老人がうちらを出迎えてきた。スーツを着て杖を突いて歩くその人は、「私は国連安保理の補助機関に所属している、ロイ・キャンベルだ」と自己紹介し、そのままうちらにはわからない色々難しい話をサルタナと始めた。ネピリム曰く、サルタナはこれから直接国連の会議に参加するから、うちらは隠れ家で適当に待ってるように、とのこと。
なのでネピリムは隠れ家までの足を確保するべくタクシーを手配しに行き、ターミナルのど真ん中でやる事もなく手持ち無沙汰になったうちらは、ネピリムが呼びに来るまで適当に辺りをうろついた。空港だからなのか色んな店があり、料金も安いらしい。
なんてことを思ってると、キャロがとある店をジッと見ていた。そこはアイスクリーム屋で、色んな味のアイスを販売していた。……そういやジャンゴに一度ソーダ味のアイスバーをもらったことがあるけど、食べたら冷たくて甘くて美味しかった。あれとは別のアイスなのかと思うと、キャロと同じようにうちも食べてみたくなってきた。でも、うちはこっちの世界のお金を持ってな……あ。
ピンポンパン♪
『いらっしゃいませ、暗黒ローンです。本日はどのような要件ですか?』
「今日は引き出しや。うちのソル残高から500ドルほど両替して引き出してほしいんよ、暗子ちゃん」
『500ドルですね、かしこまりました。現在の1ドルのレートは0.95ソルなので、475ソルの両替、および引き出しとなります。ご利用ありがとうございました!』
475ソルか……そういやジャンゴはソル・デ・バイスの弁償代がまだ残ってたなぁ、なんてことを思い出したが、とりあえず500ドルが入った袋を受け取った。そこそこの出費にはなったが、ひとまず当面のお金は工面できた。
「キャロ、どのアイスが食べたい?」
「え、いいんですか!? じゃあ……」
「「これ!!」」
元気よくバニラ味を指さしたキャロの隣で、偶然同じタイミングで声を出した男の子の指が同じ場所に伸びていた。その男の子は白っぽい銀髪が若干上に向かってて、手にプラスチック製のおもちゃの刀を持っていた。互いにポカンと見つめ合うキャロと男の子やけど、後ろから男の子の母親らしき黒髪の女性が慌てた様子でやって来た。
「ごめんなさい、いきなり割り込んでしまって……」
「いやいや、何が食べたいか聞いてただけやし、邪魔したわけでもないので、あんまし気にせんでええですよ」
「そうですか……それでも順番は守るようにこの子にちゃんと言っておきますので。……ジョン、ちゃんと謝れる?」
「うん。……順番守らなくて、ごめん」
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