過去のマイン
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滅亡しかねないほどの大事件が起こると見込んでいる。だからその大事件の前に出来ることをしているのだ」
「なるほど……ラジエルを世界大戦阻止の役目に徹させたから、サルタナとエレンは影で別の行動をして、世界の崩壊を食い止めるのに専念しとるっちゅうわけか。……ところで、一ヶ月後に何が起こるんや?」
「イモータルとの停戦協定の調印式だ」
「!? 停戦って、イモータルが……!?」
「信じられないのも無理はない、だが事実だ。なにせこの話を持ち出したのはイモータルの大将、公爵デュマなのだから」
「公爵……」
一瞬、伯爵のことを思い出したが、どちらも爵位を持ってるだけで別に関係は無いはずだろう。というか、イモータルが爵位を持ってることには何かしらの意味があるのだろうか?
「調印式もまだ正式に決まったわけではないが、今の管理局は疲弊し過ぎている。そんな状態でこの話を持ち出されれば、受ける以外の選択は出来ないだろう。だが、俺は調印式が滞りなく進むとはどうしても思えない。そもそもデュマが管理局の人間に直接接触を図ってきた時点でおかしい」
「なんでや?」
「なぜなら、こんなことをせずとも奴は既に管理局を手中に収めているからだ。髑髏事件でスカルフェイスが大立ち回りをしている間、デュマは混乱の最中であった管理局本局に侵入し、最高評議会を暗殺、奴らの権限などを全て掌握した。最高評議会は既に肉体が滅びて脳しか残っていなかったが故にその姿を全く人目に晒さなかったが、そのせいで今の管理局は自分達の懐……と言うより頭脳にデュマが潜んでいることに全く気付けなかった。これまで続いていたイモータル襲撃も、奴にとってはただの戯れ……いや、“報復”なのだろう」
「?」
デュマについて何か知っているらしいサルタナは一瞬、物憂げな表情を見せたが、すぐに普段の仏頂面に戻った。彼が何を知ってるのかわからないが、なぜか妙に不機嫌そうだから今は追及しない方が良さそうや。
というかむしろ、管理局がとっくにイモータルに乗っ取られてることの方が問題やろ。なにせ全ての情報が筒抜けなんやし、命令系統などを上手く使えば思うがままに局員をコントロール出来てしまうんやから。……ん?
「あれ? じゃあなんでデュマはわざわざ停戦協定の話なんか持ち出したんや? 確かにおかしいわ」
「だから俺達もこの停戦協定に何かしらの罠や策があると踏んでいる。だが、デュマは管理局がこれまで確保してきたロストロギアを秘密裏に手にしたとの情報があり、迂闊にこちらから接触を図る訳にはいかなくなった」
「サルタナがそこまで警戒するほどのモノとは、デュマは一体何を手に入れたんや?」
「奴が手に入れたのは“ロストロギア・ドッペルゲンガー”……それは“直接会った相手を模写でき
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