子供編
姉上。
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「アンネローゼ姉上。
いってらっしゃいませ。」
私は、涙と嗚咽をこらえるのに必死で笑うことができない。
とうとう、この日が、きてしまった。
アンネローゼ姉上を貴婦人に仕立て上げることは、成功した。
でも、もしも私という異端児がいる事によって、歴史が、変わったら?
ラインハルト兄上やジーク、レオンが、死んでしまったら?
駄目だ。こんな事ばっかり考えては。
これから、私たちは、別々の道を歩いて行く。
アンネローゼ姉上は、後宮へ。
ラインハルト兄上とジーク、レオンは、幼年学校へ。
父上は、フェザーンへ。
私は、ティアナのいる、カナリス公爵領へ。
家族が、全員バラバラになってしまう。
悲しくて辛い。
でも、大丈夫。
原作とは、多分、違うはず、。
ラインハルトの周りには、ジークとアンネローゼ姉上だけしかいないわけでは、無くなっている。
だって、レオンが、いる。
父上がいる。
ティアナが、いる。
一応、私も。
だから、あんな悲しい終わり方にしない。
お姉ちゃんは、最後まで読んだ時泣いていた。
もう、転生?して10年が、たった。
あまり、内容とかも覚えていない。
前の家族でさえ朧げになってきている。
私の前世は、ただの平凡な女子高生。
お父さんとお母さん、そしてお姉ちゃんがいた。
お姉ちゃんは、天才だった。
私が、泣くまでは。
今世では、誰かの才能を殺させたくない。
だから、私はラインハルト兄上とジーク、レオン、アンネローゼ姉上、父上、
そしてティアナを完璧にサポートしよう。
この世界を変えてみよう。
かつて、ラインハルト・フォン・ローエングラムがやったように。
人が人として生きれる世界を作ろう。
私の夢は…………………………………………………。」
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