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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
417部分:第三十三話 孫策、山越を討つのことその十三

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第三十三話 孫策、山越を討つのことその十三

「その恩だ」
「それを果たさせてもらう」
「何、当然のことだ」
 華陀はここでも笑顔だった。
「俺は医者だからな」
「そうか。医者だったのか」
「あまりそうは見えないが」
「そうか。まあそうかもな」
 華陀もこのことは幾分か自覚しているようだった。そしてだった。
 自分でだ。こんなことも話した。
「旅もしているしな」
「旅か」
「それで身体も鍛えられているか」
「そうだな。長い間国中を歩いてきたしな」
 華陀はさらに話す。
「それで鍛えられたもした。後独自の医術を自分でもやっているしな」
「それでか」
「それで医者とは思えぬ身体をしているのか」
「そういうことさ。それでだが」
 華陀はここで話題を変えてきた。
「ギース=ハワード」
「うむ」
「ウォルフガング=クラウザー」
「そうだ」
 二人の名をそれぞれ言った。二人もそれに応えた。
「あんた達も俺達と共にこの国を救ってくれるな」
「そのことに興味はない」
「私もだ」 
 それはだという彼等だった。
「しかしだ」
「恩は受けた」
 それはだとも話す。
「ならばだ。この恩」
「必ず最後まで果たさせてもらおう」
「悪いな。じゃああいつ等と合流するか」
 華陀は微笑で述べた。
「今からな」
「その者達か」
「話をしていた」
「ああ、その二人だ」
 華陀の言葉はさらに明るいものになった。
「自分達から来るかもな」
「自分達からか」
「そうなのか」
「気が早い連中だからな。むっ」
 こう言った途端にだった。
 華陀は何かを察した顔になってだ。東の草原に目をやった。
 するとだ。そこにだ。
「ダーリン、そこにいたのね」
「二人も一緒ね」
 その彼等が来た。その姿は。
 ギースとクラウザーをして身構えさせるものがあった。そうしてそのうえでそれぞれ言うのであった。
「怪物か!?」
「我々を取って食うというのか」
「あら、そんな訳ないじゃない」
「そうよ」
 その怪物達こと貂蝉と卑弥呼が言い返す。その巨大な姿でだ。
「こんな乙女を捕まえて」
「怪物だなんて」
「人間なのか?」
「違うようにしか見えないが」
 こう言ってだった。二人は警戒を緩めない。そうしてそのうえで、である。身構えたままでそのうえで華陀に対して問うのであった。
「この者達か」
「その二人というのは」
「ああ、そうだが」 
 華陀の返答だけが素っ気無い。

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