第51話<墓参前騒動>
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
無事に受理された……たった一日だけど。私の書類は一発OK。
しかしその後が問題だった。
まず廊下で事あるごとに捕まってしまう艦娘がいる。
言うまでも無いだろう。
1)日向、2)北上、3)寛代。
捕まえ方も三者三様だが、個々には触れない。
「あーあ、艦娘が正式に休暇を取るために、まさか「休止届け」書類が必要だとはなあ」
私は執務室の椅子にふんぞり返って頭をかいた。窓の外が好天なのが余計イラつく。
実は昨日、いきなり電話でも統括官に言われたのだ。
「一度に30名近い兵士が休暇とは何事か? 軍事演習の真似事でもする気か?」
「いえ……その」
しどろもどろで応えながら、実はその時点の私は何も知らなかった。
電話で散々注意された後に慌てて調べて分かった。
鎮守府の艦娘の休暇届けの決済印には司令(提督)の判子が必要なのだが……実は、この前の作戦に参加した艦娘たちを中心として軒並み私と同じ日に一斉に届けを出していたのだ。
もう驚いたの何のって……
「お祭りか? お前らは!」
思わず叫んだ。
そのお陰で結局、私の休暇も、お盆に突入せざるを得なくなったのだ。
(やれやれ……)
秘書官と相談して10名前後という計画を立ててから改めて軍令部と交渉した。
散々粘った挙句に軍令部から私と、あと12名という制限がついて決着した。
交渉後に祥高さんが言った。
「何とかまとまりましたね」
「そりゃ艦娘も軍隊の兵士、大量に抜けるのは問題だからな」
椅子に深く腰をかけて私は言った。
「でも、よく許可が下りたな」
「私もいろいろ……伝手を使わせて貰いました」
「え?」
絶句する私。
(いや伝手を使ってまで、やることか?)
急に脱力した。
思わず私は祥高さんの顔を見てしまった。だが意外にニコニコしている彼女の顔を見ると何もいえなかった。
(実は黒幕は貴女ではないのか?)
「やはり休暇でなく訓練名目にすれば良かったかな?」
……とはいえ、後の祭り。ここまで増えるとは想定外だが仕方ない。
最初の3人……1)日向、2)北上、3)寛代は優先順・提督権限で、無条件に許可を出すことにした。
軍部の許可は下りた。後の問題は、他の参加する艦娘を、どうやって決めるのか? だ。
「美保湾で艦隊紅白戦(実弾演習)をするのじゃ!」
「何だよそれは!」
某艦娘から出た物騒な案は却下した。
最後は、あみだくじ……平和な抽選方法になった。
(ブツブツ)
「うるさい!」
さて私が苦労して編み出した参加メンバーはざっと次の通り。
<< 墓参:メンバー表 >>
1)日向、2)北上、3)寛代
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ