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提督はBarにいる。
キスの味はさくらんぼ?・その1
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に仄かな苦味が混じる。それがまたビールを引き立ててくれる。そしてビールを飲む事で口の中がリセットされ、再びキツいのをグイッとやりやすくなる。

 『チェリー・ヒーリング』に代表される作り方のチェリー・ブランデーはリキュールに近い物だ。ソーダ割りや水割りでも十分に美味いが、真価を発揮するのはやはりカクテルだろう。以前高雄に出した事もある『シンガポール・スリング』を始め、意外とこの酒を使ったカクテルレシピは多い。

「さぁ、どっちにする?」

「そうねぇ……甘いのが飲みたいから、こっちにするわぁ♪」

 荒潮が選んだのは『チェリー・ヒーリング』のボトルだった。

「カクテルの種類はお任せか?」

「そうよぉ、私解らないからぁ……提督に教えて欲しいわぁ♪うふふふふふ♪」

 その笑い方といい空気感といい、独特の物があるなぁ荒潮には。

「んじゃまぁ適当に作ってくわ。ツマミも適当でいいか?」

「はぁい、お任せしま〜す♪」

 んじゃ、まずはやっぱりシンガポール・スリングかな。


《おさらいの意味も込めたシンガポール・スリング》

・ドライジン:45ml

・レモンジュース:20ml

・チェリー・ブランデー:15ml

・炭酸水:適量

・砂糖(またはガムシロップ):1/2tsp


 まずはドライジン、レモンジュース、砂糖をシェイカーに入れてシェイク。砂糖が溶けるようにしっかりとな。しっかりとシェイクできたら氷の入ったタンブラーグラスにシェイカーの中身を注ぐ。

 タンブラーの中を炭酸水で満たし、チェリー・ブランデーを注ぐ。仕上げにマラスキーノチェリーを飾ったら完成だ。


「さぁ出来たぞ、『シンガポール・スリング』だ」

「甘くて美味しいわぁ♪」

 荒潮はタンブラーに挿したストローでチューチュー啜っている。さて、何をツマミに出してやるか……そうだ、敢えてツマミもサクランボ尽くしにしてやるか。甘い物も酒に合わないなんて事は無いしな。

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