SIDE:A
第十七話
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ながらのチョウジの言葉にげんなりする。修行中の本体に変わり授業を受けていた影分身の情報によると、今日の午後にワンツーマンでのサバイバル演習があるようだ。すっかり忘れてたわ。
しばらくサバイバルはいいかなと思ったけど、アカデミーの演習だから俺のように森で一夜明かすようなことはないだろう。となると、授業内容より誰がパートナーになるかが懸念材料だ。実力を隠さないといけないから、色々と気を回す必要がありそう。
確か今回は女子との合同演習だっけ。汐音やヒナタとか気心知れてる人ならいいけど、面倒っぽいなぁ。
「イノたちと一緒とかめんどくせぇ。帰りてぇわ……」
「まあまあシカマル、そう言わないで頑張ろうよ」
早くもやる気を無くし机に突っ伏すシカマルをチョウジが元気づける。普段から食べ物のことしか頭にないチョウジにしては珍しく意欲を見せている。
俺と同じく意外に思ったのかシノが尋ねた。
「意外だなチョウジ。お前がそこまでやる気を見せるとは。なぜならお前は実技関係の授業を苦手としているからだ」
「だな。どうしたんだよお前? 食い物のことしか頭にないお前がそんなこと言うなんて……なんか悪い物でも食ったか?」
顔を上げたシカマルが胡乱気にチョウジを眺める。無心にポテチを食べていた彼は手を止めると、カッと目を見開いて言った。
「昨日父ちゃんに言われたんだ。今日の演習で上位に入ったら焼肉に連れていってくれるって! 焼肉のためならボクは悪魔に魂を売ってでも上位に食い込んでみせるよ!」
唾を飛ばす勢いでそう捲し立てる秋道家のチョウジくんに、奈良家の長男は苦笑した。
「あー、納得。食い物が絡んだこいつのことだから、本当に上位入賞かもな。しかも焼肉となると奇跡を起こすかもしれないぞ」
「一笑に出来ないところがチョウジの凄いところだな」
俺の言葉に頷いて同意を示すシノ。忍犬の赤丸を頭に乗せたキバは勝気な笑みを浮かべた。
「へっ、チョウジが上位になれるなら俺は優勝ものだな! なぁ赤丸!」
「わんわん!」
主人の言葉に元気に吠える赤丸。ワンちゃんは今日も元気そうでなによりです。
「お前ら席に着けー! 授業を始めるぞ〜!」
担任のイルカ先生の言葉に各々の席に戻る。
合同演習か。どうするかなぁ。
† † †
昼休みを告げるチャイムが鳴ると、午前の授業が終わる。イルカ先生が教材を片手に教室を出ていくのを見届けた俺はその場で大きく伸びをした。
暗号の授業でずっと椅子に座り
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