SIDE:A
第十七話
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き兄妹はアカデミーで学ぶ内容をすでに修めている。俺からしてみれば高校生が今更小学一年生の授業を学ぶようなものだ。
当然、授業――特に座学は暇で仕方ない。その結果、くしくも奈良家のシカマルくんと同じ行動を取ってしまうのだ。
つまり、昼寝である。
「でも成績云々はあまり気にしてないしな。元々中間あたりを狙ってるし」
元々六歳で入学する予定の俺が二年遅れでアカデミーの門をくぐった理由の一つが、アカデミー生の護衛だ。木の葉には秘伝忍術を扱う家系を多く、中には血継限界の血を引く名家の子もいる。そんな子たちが誘拐されないとは言い切れないため、すでに上忍レベルの実力を持つ俺が密かに護衛しているのだ。五年前にヒナタが誘拐されたのを契機に里のセキュリティレベルを上げたとはいえ、他里の人間が紛れ込んでいないとは言いきれないし。
そういう理由もあり注目を浴びないように実技、座学ともにほどほどに加減をしている。成績をコントロールするのって意外と難しいんだよな。
と、いうことで、その辺りの理由は父さんや母さんには説明済みだから、たとえ加減を誤って下位辺りになっても注意で済む。
「じゃあ汐音もヒナタも授業がんばれよ」
「うん。ハルトくんも」
「じゃあお兄ちゃんまた後でね〜」
アカデミーについた俺たちはそれぞれのクラスに別れた。一年では男女共同のクラスだが二年から男女別に分かれる決まりだ。くノ一はくノ一ならではの役割があるし、思春期に入る頃だからクラスを別々に分けるようだ。
本来ならクーちゃんは俺の使い魔だから男子クラスにいるべきだが、汐音やヒナタが心配なため女子クラスに居てもらっている。ないとは思うが、もし俺の知らないところで二人がイジメにでもあったらと思うと心配で心配で……。
クーちゃんに目を光らせてもらっていれば馬鹿な真似をする娘もいないだろう。
「うぃーっす。おはよう諸君」
雑な挨拶をしながら扉を開ける。教室には気心が知れた野郎どもがいくつかのグループを組んで雑談していた。
自分に割り振られた席に鞄を置いて、グループの一つに混ざりに行くと、俺の姿に気が付いた一人が手を上げた。
「ようハルト」
「おー、なんの話してんの?」
シカマルの席にはいつものメンバーであるチョウジ、シノ、キバが集まっている。男女別にクラスが分かれてから大体このメンバーで集まるようになった。昼休みになるとこのメンバーにイノ、ヒナタ、汐音、クーちゃんが加わり大所帯となるのが通例だ。
「午後にあるサバイバル演習だよ」
「サバイバル……。あー、そういえばあったな」
バリバリとポテチを食い
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