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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十三話 絶体絶命です。
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・・・・あなたらしくないわ。」
「戦いを前にして少し気負いすぎているようだ。」
冗談交じりに言うラインハルトの顔をイルーナはじっと見つめていた。その間10秒だったが、ラインハルトの顔色は次第に落ち着きを失っていた。
「・・・・皇帝に会いに行くのね?」
たった数語であったが、ラインハルトの心証を正確にいい当てていた。
「ごまかしは効きませんね。そうです。皇帝とあいまみえる。彼奴に問いただしたいことは山ほどある・・・!!」
ラインハルトの拳がまた握りしめられた。
「おぼえていますか?あの10年前の事を?私は一時たりとも忘れたことはない。あの日から片時も、一瞬たりとも忘れたことはない・・・!!」
「ラインハルト・・・・。」
イルーナは見つめるしかなかった。「弟」の憎しみが隠しようもなく熱を帯びて放射されるのを。
「この手で皇帝を倒し、姉上を救い出す。今こそのその最大の機会だと私は思っています。」
「ローエングラム陣営はまだ盤石ではないわ。リッテンハイム侯爵を倒したとはいっても、ブラウンシュヴァイクはじめまだ貴族たちの基盤は強く、帝室に忠誠を誓う人間も多い。ラインハルト、まだ時は――。」
「ではいつ果たせばよいというのですか?!」
ラインハルトの痛烈な怒りがイルーナを襲った。だが、次の瞬間彼は酷く後悔したように顔色を変えると、顔を背け、黙り込んだ。
「・・・申し訳ありません、姉上。こんな軽はずみな怒りを浴びせるつもりでは――。」
「いいのよ、あなたの気持ちはよくわかるわ。」
ローエングラム陣営bQの参謀総長は若き元帥をいたわりを込めて見つめた。
「あなたの気持ちはよくわかるし、それを最大限尊重したいと思っているわ。でも、機会や情勢を鑑みなくては。帝都に到着次第あなたの思いが果たせる状況にあるならば、私はためらわずに力を貸すわ。」
ラインハルトは黙ってうなずき、両者の間ではこの話題はいったんは終息した。だが、イルーナはラインハルトの胸に秘めた炎は自分が思っていたよりもずっと激しく燃え盛っていることに改めて気づかされたのだった。
『ラインハルト、イルーナ。』
そこに帝都から通信が入ってきた。アレーナ・フォン・ランディールからだ。いつもの飄々とした声ではない。
「どうしたの?」
『緊急事態よ。ミュッケンベルガー元帥、リヒテンラーデ侯爵が何者かによって暗殺されようとしたの!』
二人は思わず顔を見合わせていた。
「容体は?」
『幸い命には別条はないらしいけれど、かなりの重傷らしいの。問題はその後よ、後任の宇宙艦隊司令長官代理、そして国務尚書代理がすぐさま発表されたの。誰だと思う?』
「わからないわ。誰なの?」
アレーナは一呼吸おいて、その名前をはっきりと口に出した。


『宇宙艦隊司令長官代理は・・・バイエルン候エー
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