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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十三話 絶体絶命です。
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ガーの指揮の下に帝都に報告した行程を進んでいるが、それとは別にえりすぐった高速艦艇で帝都オーディンに急行しているのである。この時の為に改アースグリム級戦艦及び高速戦艦は通常戦艦の数倍の速さを誇るように改装されていた。選りすぐった2万隻の艦艇及び高速で鳴らしたミッターマイヤー及びビッテンフェルト艦隊の高速戦隊は本隊からさらに先発し、一路帝都オーディンを目指したのである。帝都オーディンへの進路上の辺境惑星は既にラインハルトとよしみを通じていたので、この動向を帝都に報告はしなかった。進路上にある基地などについては各戦隊から揚陸艦などを分派させてこれを制圧したのである。航路については既にイルーナが設定し、それを綿密に検討されていたため、躊躇や遅滞等は全くなく、脱落者もほとんど出なかった。
さらには、ローエングラム陣営は先の先まで手を打っていた。
貴族連中の造反に備え、ガイエスブルグにはアイゼナッハを派遣し、レンテンベルク要塞にはミッターマイヤー艦隊四天王であるジンツァー、ドロイゼンの両名を差し向け、ガルミッシュ要塞にはビューロー、ベルゲングリューンの両名を、さらにブラウンシュヴァイク星系にはロイエンタールを別働部隊主将としてワーレンを補佐役として差し向けている。さらにラインハルトはヴァルハラ星域の私設要塞群の制圧及び周辺警戒にルッツ、キルヒアイスを差し向けていた。ジークフリード・キルヒアイスは未だこの時には少将であったが、ラインハルトは先の戦いの武功と合わせ、近々彼を一気に大将に昇進させようとしていたのだった。なお、イゼルローン要塞には当初の予定通りケンプが留守役となっていた。また、万が一に備えアレーナ・フォン・ランディールや同調する貴族たちの私設艦隊も待機、準備を怠りなくさせている。
このことはミュッケンベルガー主席元帥にもリヒテンラーデ侯爵にも知らせていない内々の事である。
「たとえ発覚したとしても貴族連中の造反に備えてと言えば説明はつくわ。一時の指揮命令系統の違反があったとしても後日の厄災に備えて手を打つ方がずっと利益をもたらすのだから。」
この作戦を展開するに先立って、イルーナがラインハルトに説明している。
「オーディンまで約30日の行程だが、短縮に短縮を重ねれば約15日になる。既に過半を越えたが、速度こそがこの作戦の成否を分けるのだ。引き続き機関最大戦速!!各艦機関部は常にエンジンの機能を十全に保て!!」
ラインハルトが全艦隊に指示を飛ばした。まさに速度こそがこの作戦の成否を分けるのである。そのラインハルトは拳を握りしめ、全身からオーラを発散させてともすれば最大戦速度で飛翔するヴァルキュリアにすら不満を漏らしていた。
「どうしたというの?」
イルーナが尋ねた。
「いえ、何でもありません。」
「なんでもなくはないでしょう?
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