0084話『今日は何の日? 記念の日だよ』
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た鉄製のワッペンが握られている。
「司令……ッ! これって……!」
「ああ。私ではこんなに細かいものは作れないから明石に頼んだんだが……どうだい? 気に入ってもらえたか?」
「はい! 司令、ありがとうございます! 秋月、とても嬉しいです! 大事にしますね!!」
そう言って秋月はその鉄製のワッペンを大事そうに握りしめて胸に持っていき包み込むようにして目を瞑っていた。
相当嬉しいらしくやっぱり涙を流す秋月の姿があった。
そしてしばらく経って、秋月は少しすまなそうな表情になり、
「司令……すみません。秋月、今日が司令のお誕生日などと知らなくてなにも用意できません。ふがいない私を許してください……」
そう言って秋月は頭を下げる。
そんな秋月の頭に私は手を置いて、
「気にするな。私も教えてなかったのが悪いんだから……」
「はい……」
「ほら。こんな祝いの席で暗い顔はもうなしだ。というわけだ。こんな私にも隠して宴会場なんて用意していた青葉含めてみんな……ありがとうな!!」
「いえっ! 青葉もお役に立てて嬉しいです!」
そう言って久しくお役に立てたのか青葉が笑顔で敬礼をしてきていた。
そして今度は金剛が立ち上がり、
「ヘーイ! テイトクゥ! 今度からは事前に準備しますカラ来年も楽しみにしてるネー!」
「わかった……。だったら来年までまたみんなで一人も欠けずに生き残ろう!」
そう言って私の言葉の後に宴会が始まってみんなはそれぞれ楽しんでいた。
結局はみんなは楽しめる事があればとことん楽しもうという魂胆なんだよな……。
後の経費が怖いけど……こんな日もあってもいいだろう。
そして少しお酒を飲んだ後に風に当たりに外に出ていき、
《提督……。改めて、お誕生日おめでとうございます》
「ありがとう榛名」
榛名にそう言われたのでまた感謝の言葉を返した。
《いえ……ですが一つ心残りがあるとすればみなさんはなにかしら提督にプレゼントを用意していたのに私はこんなですからなにも用意できないのが悔しいです》
「そんなことか。気にするな……って言っても無理か。だったらこれからも一緒に生きていこう」
《はい! 榛名はいつまでも提督と一緒にいます!》
そんな会話をしていると後ろから「提督ー!」というみんなに呼ばれる声が聞こえてきたので、
「さて、それじゃ戻るか。まだまだ楽しまないとな」
《はい。お付き合いしますね》
そんな感じで夜も更けていった。
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