414部分:第三十三話 孫策、山越を討つのことその十
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第三十三話 孫策、山越を討つのことその十
「きっとこの世界で大きな役割を担うで」
「楓達みたいにかあ」
「ああしたことをしてくれるってのか」
「多分な。あの人は絶対に守らなあかん」
あかりは決意も見せた。
「ほなそういう訳でや」
「ああ、やるか」
「女の子の為なら一肌も二肌もってな」
こうした話をしながらだ。彼等も山越の兵達を倒していく。その彼等の活躍もあってだ。孫策軍は山越の軍勢を次第に押してきていた。
そしてだ。その中でだった。黄蓋が弓矢を放つ。
「わしの弓、避けられるものなら避けてみよ!」
こう言いながら攻撃を仕掛けてだった。
山越の兵達を次々に倒していく。そうして彼等をだ。遂にだった。
本拠地まで押し返した。孫策はそれを見てまた言う。
「じゃあ今度はね」
「はい、本拠地まで進軍ですう」
それだと話す陸遜だった。
「皆で行きましょう」
「そうね。そしてね」
「はい」
『本拠地を包囲したら次の策ね」
「はい、それで終わりですよ」
陸遜の言葉はここでもおっとりとして癒しを感じさせるものだった。
「ここの戦いは」
「戦いが早く済むのはいいことじゃ」
黄蓋はこのことはいいとした。
「それだけ無益な血が流れずに済む」
「はい、そうですよね」
周泰も黄蓋のその言葉に頷く。
「ただ」
「ただ。何じゃ」
「本拠地を包囲してもそう簡単に終わるでしょうか」:
周泰はこう言って顔に不安なものを見せた。
「果たして」
「心配無用だ」
周瑜が周泰に対して告げた。
「そこからも既に考えている」
「そうなんですか」
「戦いは次で確実に終わる」
断言であった。
「だからだ。行くぞ」
「わかりました」
こう話してであった。孫策の軍と孫権の軍は合流してそのうえで山越の本拠地である城を取り囲んだ。そうしてそのうえで、であった。
孫策が黄蓋に対して話す。
「それじゃあね」
「この弓矢をですな」
「ええ、御願いするわ」
微笑んで彼女に言うのだった。
「敵のお城の中にね」
「打ち込みそれで」
「それでいいわ」
「わかりました。では」
黄蓋は主の言葉に頷いてそのうえで文がくくられたその弓を城の中に放った。そうして包囲して三日後だった。山越の方から使者が来てだった。
「宜しければです。我々を」
「ええ、いいわよ」
孫策はその使者と会ってだ。穏やかな笑顔で話すのだった。彼女が今いる本陣には将や他の世界からの者達が揃っていた。
その彼等を左右に置いてだ。孫策は使者に応えていた。
そしてだ。満足している顔で使者の話を聞いていた。
「孫策様の軍の末席に加えて下さい」
「条件は読んだわね」
「はい」
使者は神妙な態度で答えた。
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