第十幕その二
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「気をつけないとね」
「虎さんやライオンさんと同じだから」
猛獣だとです、トートーも認識しています。
「他のアザラシさん達と違って」
「人も襲われるらしいし」
このことは老馬が言いました。
「怖いよね」
「歯が鋭くて」
「あんな歯で噛まれたら」
チープサイドの家族はヒョウアザラシの他のアザラシ達とは全く違う鋭い歯を見ています、本当に豹のものみたいな歯です。
「只じゃ済まないよ」
「私達の誰も」
「安全な場所にいても」
ポリネシアも言います。
「気をつけないといけないって思うわ」
「何かライオンや虎よりも怖い?」
「そんな感じがするね」
最後にオシツオサレツが言いました。
「海の中だとね」
「鮫よりも怖いんじゃ」
「まあそんなに怖がらなくていいよ」
先生は警戒する皆に穏やかな声でお話しました。
「食べていたら別に襲わないから」
「それ以上は食べない」
「そうなんだね」
「幾ら怖くても」
「そうなんだ」
「うん、それに絶対に外に出られない様にしているしね」
ヒョウアザラシが自分達のコーナーからというのです。
「安心していいよ」
「そうなんだね」
「幾ら怖くてもだね」
「ちゃんと御飯は食べてるし」
「出られないから」
「安心していいよ。というか皆変に怖がるよりもね」
それよりもというのです。
「知ることが大事だよ」
「ヒョウアザラシさんを」
「その方がいいんだ」
「怖がるよりも知る」
「その方がいいのね」
「そうだよ、君達はライオン君や虎君は怖がっていてもね」
それでもというのだ。
「彼等程怖がってはないね」
「だって食べていれば何もしてこないし」
「満腹ならね」
「ライオンさんも虎さんも満腹なら寝てるだけで」
「頑丈な檻の中にいるし」
「そう、知っているからだよ」
ライオンや虎達をというのです。
「極端に怖がっていないんだ」
「だからヒョウアザラシさん達もなんだ」
「知ることが大事なんだね」
「怖がるんじゃなくて」
「そちらの方が大事なんだね」
「そうだよ。だから学問は大事なんだ」
知ることが出来るからだというのです。
「生物学もね」
「そういうことなんだね」
「ううん、流石は先生ね」
「怖がるんじゃなくて知る」
「それこそが大事だってことね」
「そうだよ、怖がるよりも学ぶ」
先生は前を見て微笑んで言いました。
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