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強欲探偵インヴェスの事件簿
インヴェスの本性、そして悪名
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う少し肉感的なムチムチプリンの女性を好むのだが、たまには未熟な発育の女を仕込んでみるのも一興か、とやる気スイッチを入れたのだ。

『幼女から熟女までが俺様のストライクゾーンだ。あ、でもデブとブスとババァは勘弁な』

 とは本人談である。繰り返す様だが真性のクズである。

「それにお前未経験だろ?任せときな、俺様経験豊富だからよ!すぐに気持ち良〜く天国に送ってやるぜ?ハハハハハ!」

「あなたは……」

「あん?」

「あなたは最低の人間です!最初はいい人だと思ったのに!見損ないました!」

 そう言ってインヴェスの横っ面を張ったミーア。その勢いのままにインヴェスの部屋を飛び出していく。それを追いかけようと立ち上がったハリーはインヴェスを一睨みすると、

「何年経っても変わってなかったな。このクズが」

 と言い残して、走り去っていった。インヴェスは頬の痛みよりもハリーと結んだ200万ゴッズの契約がおじゃんになりそうだという現実に今しがた気付き、勿体無い事したかな〜等と考えていた。ビンタされるなんてしょっちゅうだし、酷い時には女から怨みを買って一流の殺し屋を差し向けられたりした。が、その悉くを返り討ちにしてきたからこそ今日のインヴェスがあるのである。尊大な言動にはそれだけの裏打ちされた自信があり、それだけの力量があってこその事だった。憎たらしいクセに実力だけはあるのだ。




 涙を浮かべて宛もなく走り出したミーアを追いかけていたハリーは、前方で誰かが揉み合っているのを視認して、足を急がせる。

「いや!離して!」

「ケヘヘ、めんこい嬢ちゃん。アンタはこっちに来る人間じゃねぇよ?とっととお帰りな」

 見れば、ミーアが襤褸切れを纏った老人に付き纏われて必死に逃げようとしていたのだった。一見すると犯罪スレスレの光景だが、ハリーはその老人に見覚えがあった。

「助かったぜじいさん」

「おぉ、ハリーのボンズ(坊主)じゃねぇか。最近観なかったが元気にしとるか?」

「あぁ、お陰様でな」

「それより、その嬢ちゃん知り合いか?それならとっとと連れ出してやんな」

「あぁ、解ってる」

 ハリーはミーアの肩を抱きかかえると、じいさんに金の詰まった小袋を渡して足早にその場を後にした。

 暫く歩いてスラムを抜け、大通りに出たハリーは一軒の喫茶店を見つけて、あそこに腰を落ち着けて話を聞こうと歩みを進めた。昔スケコマシのインヴェスが、『女を口説くならココ!』と力説していたお店であり、そういった事に疎いハリーからすれば自分の記憶力に感謝したい所だった。客の少ないオープンテラスの隅のテーブルに腰を落ち着け、やって来た店員に飲み物とケーキを注文する。少しの間気まずい空気が流れて2人共黙り込んで
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