第50話<寛代の変化>
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外と言うか……まさか日向に、そんな嗜好があるとは私も想像すらしなかった。
聞いてみる。
「そうなのか?」
「……」
否定も肯定も出来ずに黙っている日向。
もう一度聞く。
「そもそも、何でウチの実家だ?」
「……」
確か実家に来た艦娘は夕立だけだ……と思って向こうを見ると、その夕立本人が嬉しそうに手を振っている。
「司令っぽい」
「何だよ? それ」
その隣では青葉がブイサインを出している。
(あいつらめ余計なことを日向に吹き込んだな?)
変な噂を立てられても困るから注意してやろうと立ち上がりかけた瞬間、ズン! という衝撃が再び襲った。
「ああぁぁ!」
振り返ると、やっぱり寛代だ。
「なんだ? お前は」
イラついた声で応える私。
「……」
しかし、それに構わず無言で自分を指差す寛代。
「へ? ……あっ、ひょっとして、お前も同伴したいのか?」
盛んに頷く寛代。
「やれやれ……」
私は肩をすくめた。
「仕方ないな」
本当は、もっと静かに参りたかったけど。
「これで4人か」
(ほぼ、軍用車は満席だな)
「実家に行くとは言ってないからな」
私は念のために釘を刺した。
『えぇ?』
どこかから艦娘の残念そうな声……誰だよ? まったく。
正規軍でさえ艦娘は、まだ余り認知されていないのに。まして普通の人間である私の両親のところへ、お盆前に大挙して艦娘を連れていくワケには行かないだろう。
「我慢しろ。命令だ」
『はぁい』
……私は苦笑するばかりだった。
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