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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic39おかえりなさい〜Rebirth〜
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†††Sideルシリオン†††

ミッドに本格的な冬が訪れた12月後半。自室で残っていた仕事を片付け、「そろそろ休むか」とあくびをしながらストレッチして、凝り固まった体の筋肉をほごす。寝室のベッドにはアイリとフォルセティが寄り添う形で眠っていて、いつも思っているが姉弟のようだ。

「おやすみ、アイリ、フォルセティ」

ベッドの左側から入り、俺、フォルセティ、アイリの川の字で横になる。疲労が溜まっているのかすぐにウトウトし始める。完全に眠りの世界に入る前に「我が手に携えしは確かなる幻想」と、複製したものを具現するため呪文を詠唱。

(本当に待たせてしまったな・・・)

ゆっくりと目を閉じて完全に眠りの世界へ、ではなく「ただいま、我が創世結界」へと移る。プライソンに奪われていた権限を奪還してから4度目の創世結界への進入だ。こうして進入する度に、なんて惰弱で貧弱な欠陥か、と思う。権限を奪われただけで自分の精神世界に入ることが出来ないなんて・・・。

(複製物を奪われたことは多々あれど、権限そのものを奪われるなんて初めてだったからな・・・)

そんな言い訳をしてしまっている自分自身に呆れ果ててしまう。今後の為に何かしらの対処策をいくつか考えながら、「姉様!」と呼びかける。ここは“英雄の居館ヴァルハラ”の玉座の間。“ヴァルハラ”と“異界英雄エインヘリヤル”の管理を任せているゼフィ姉様の“エインヘリヤル”が居るはずなんだが・・・。しかし玉座に姉様の姿は無かった。

「一体、どこへ行ってしまわれたのか・・・?」

玉座の間からとりあえず出て、廊下で左右をキョロキョロしているところで、「きゃん!」と俺の背中に誰かが勢いよくぶつかって来た。振り向いてみると、「お前は・・・デルタ!?」が居た。複製権限が奪われていたわけだが、複製はされていたわけか・・・たぶん。

「というか、何故に水着姿?」

尻もちをついたデルタに手を差し伸べると、オレンジ色をしたフレアビキニを着たデルタが「あっ、えっと、神器王・・・?」と小首を傾げながらも俺の手を取ってくれた。よっ、と掛け声を発しながらデルタを立たせる。

「ここに居るということは、俺の真実はもう理解しているようだな」

「ここがどこで、あなたが誰なのか、デルタがどうなってるのか、もろもろ全部」

俺の複製能力によって複製されたモノの所有者は使い魔・“エインヘリヤル”となり、それと同時に俺の真実を知ることになる。だから基本的に同情などで俺の協力してくれるが、我の強い子は結界内でも召喚後でも勝手気ままだ。

「それで? こんなところで、あと水着で何をやっているんだ?」

「あ、そう! 助けて、追われてるの!」

デルタが俺の背後へと回り込んで来た。彼女が来た方向へと目を向けた
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