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提督はBarにいる。
世界の米料理・パエリア編(3)
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いて、砂糖とかフルーツを入れたライスプディングとかな」

「えぇ……ご飯牛乳で炊くの?」

「それはちょっと無理かも」

「そうか?結構食べられてる地域多いんだけどな」

 ドイツでは牛乳で煮た米に砂糖とかシナモンを振りかけて食べるミルヒライスという米料理がある。ドイツ人に言わせればデザートではなく主食らしいが。他にも東南アジアだと米をマンゴーや里芋、スイートコーンなんかとお粥状にして煮込み、ココナッツミルクかけて食べるデザートとかな。意外と使い道は広いんだ、米は。

「でもあんまり食べたいとは思わないね……」

「お餅とか和菓子の方がいいや」

 まぁ、馴染んだ味ってのもあるんだろうけどな。俺だって米を牛乳で炊くのには多少抵抗がある。リゾットみたいに仕上げるならともかく、甘く仕上げるのは……ちょっとな。そんな世界の米料理について語らっていると、炊飯器が飯が炊けたのを知らせる。

「おっ?」

「炊けたの!?」

 緊張の一瞬、果たして出来栄えは……?ゴクリ、と唾を飲み込んで炊飯器の蓋を開ける。もうもうと立ち上る湯気の下から姿を現したのは、綺麗に黄色く染まったサフランライスだった。

「おぉ〜!」

「美味しそうですね、提督!」

 うん、見た目と香りはとりあえず合格だな。しかし問題は味だ。ちゃんと炊けてなければ意味がない。

「待て待て、まずは俺が責任を持って味見してからだ」

 そう言いながら俺はパエリア?を皿によそう。やはりパエジェーラやフライパンで作った物よりもふっくらと炊けている。それに海老と手羽元、アサリも忘れずにと。刻んだパセリを散らして、レモンを軽く搾って……と。

「頂きます」

 そう言ってスプーンを入れる。海老を一口サイズに切り分け、スプーンに飯と一緒に乗せる。それを一気に頬張ると、海老のプリっとした歯応えが伝わってくる。それと2〜3度噛んでいると出てくるのは、鶏肉や海老、アサリ等の出汁が混じり合った旨味だ。それと米が絶妙のマッチングを果たしている。炊け具合もバッチリで、芯が残っている事もなく……かといってベチャッとしてもいない。絶妙な炊き上がり。ソカラ(おこげ)は出来ないだろうが、日本人的にはこっちの方が舌に合うんじゃないか?ぶっちゃけ。鶏肉もしっかりと火が通っていて、ホロホロとほぐれる位柔らかくなっている。

「こいつぁ美味いな、お前らも食うか?」

「「当然っ!」」

 すっかり息の合った2人にもパエリアを盛ってやり、俺もサングリアを口にする。うむ、悪くない組み合わせだ。




「う〜、お腹いっぱ〜い」

「ちょっと苦しいね……」

 そりゃそうだろう、いくら2人が食いしん坊とは言え、駆逐艦と潜水艦の胃袋にご飯物3人前は食べ過ぎだろ
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