410部分:第三十三話 孫策、山越を討つのことその六
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第三十三話 孫策、山越を討つのことその六
「そうするから」
「わかりました」
孫権は姉のその言葉に頷いた。
「では私はすぐに砦に」
「貴女には甘寧に呂蒙を預けるわね」
その二人だというのだ。
「主力は私が率いるわ」
「はい、それでは」
「あと別の世界から来た面々はね」
孫策は彼女達のことも忘れていなかった。
「ダックとタン、それにビッグベアに」
「あの三人ですか」
「三人を預けておくわ」
こう話すのだった。
「それでどうかしら」
「はい、それでは」
孫権は右手を月に、左手を日にして打ち合わせて応えた。
「その様に」
「これは難しい作戦ですけれど」
陸遜は実に呑気な口調で話す。
「けれどお二人ならできますよお」
「それはどうしてなの?」
「だって雪蓮様と蓮華様は御姉妹じゃないですか」
彼女が話すのはこのことからだった。
「それもとても仲のいい」
「そうね。蓮華は少し堅苦しいけれど」
「姉様は少し奔放に過ぎます」
そうは言っても微笑み合う二人だった。
「それでもね。私も蓮華は好きよ」
「私も。雪蓮姉様は」
「だからですよ。息がぴったり合ってますから」
陸遜はこのことを指摘した。
「御二人のその息が合っていることがこの作戦の秘訣なのですよ」
「そういうことです」
周瑜も言う。
「蓮華様、別働隊はお任せしました」
「わかったわ」
孫権は周瑜のその言葉に頷いた。こうしてだった。
孫策は主力を率いて山越の本拠地に向かう。そして孫権は別働隊を率いて太史慈達が築いた敵の本拠地の傍にある砦に入った。そしてそこでだった。
「久し振りね、二人共」
「はい、蓮華様」
「お久しゅうございます」
その太史慈と諸葛勤が孫権に応える。三人共笑顔だ。
「策のことは御聞きしております」
「ではその様に」
「はい、それで行きましょう」
孫権に同行している呂蒙が二人に話す。
「そして勝ちましょう」
「ううん、亞莎はいつも通り真面目ね」
「そうね」
「そ、そうですか?」
「その真面目さがね」
「いいのよ」
太史慈と諸葛勤も彼女のその性格には好意を持っていた。
「その真面目さと賢さがあればね」
「きっと素晴しい軍師になるわ」
「いえ、私はそんな」
謙遜して顔を赤らめさせ呂蒙だった。
「とても。そんな軍師には」
「そういう性格がいいのよね」
「そうそう」
こう砦の中で話すのだった。砦は木で作られていて堅固である。そこに彼女達や兵士達がいていい意味での活気に満ちていた。
彼女達はこんな話をしてだ。戦の用意をしていた。そこにだ。
「来たのね」
「はい」
「来ました」
甘寧と太史慈が孫権に応える。
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